より良い未来を作っていくために
チョムリアップ・スオ、皆さまこんにちは。
カンボジア事務所では、図書館活動を中心としたコミュニティ学習センター(CLC)事業を実施しています。今回は、そのCLCの以前の利用者の声を紹介したいと思います。
シャンティの事務所があるバッタンバンの大学で英文学を学ぶティダさん、21歳。彼女が高校生の時、通っていた高校の近くにCLCが完成しました。
彼女は学校帰りによくCLCに立ち寄り、友達と一緒に読書やおしゃべりを楽しんでいたそうです。当時を振り返って、こんな話をしてくれました。
当時よく読んだ本を紹介してくれました
「高校には図書館があったけれど、本の種類は限られていました。CLCには絵本、辞書、哲学、歴史、地理、農業などさまざまなジャンルの本があって、それを自由に手に取って読むことができました。特に私は哲学の本が好きだったのですが、CLCには色々な絵本もあったので、物語を読むのも好きでした。物語を読んでいる時には、まるで自分がストーリーの中にいるように感じるくらいに夢中になっていたのを今でも覚えています。」
バンテイミンチェイ州 モンゴコルボレイ郡 オープラサット集合村のCLC
「CLCにはハンモックがあって、ハンモックに揺られてリラックスしながら読書することもありました。利用者が自分のペースで楽しめるCLCは、私にとって大好きな場所でした。」
ハンモックで読書
思い思いにCLCで過ごす利用者
実は、彼女は現在シャンティのプロジェクトスタッフとして働いているのです。
カンボジアでは、保護者の負担を減らしながらも学業を継続するために、学費や生活費を自分で賄うために、勉強の傍らフルタイムで働いている学生もいます。彼女もそんな一人です。
「私は自分が育った村で、色々な事情で学校を中途退学しなければならない子どもたちを沢山見てきました。そんな中、地域の様々な人に教育の機会を提供する場所であるCLCを利用したことが一つのきっかけで、いつかカンボジアの教育に関わる仕事がしたいと思うようになりました。」
研修でファシリテーターを務める様子
「今、教育に関わる仕事ができて、とても幸せに思っています。事業を進めるために知っておくべきこと、覚えなければならない事も沢山あって大変に思う時もありますが、活動で訪問するCLCや小学校、幼稚園で子どもたちが楽しむ姿が大きな励みになっています。より良い未来をつくっていくために、これからも自分なりに貢献していきたいと思っています。」
自分の生きる社会をもっと良くしたいという熱い想いと高い志を持つティダのようなスタッフと現場で働くことができ、私自身背筋が伸びる思いです。シャンティとしてこれからもより良い活動ができるように、一緒に歩んでいきたいと思います。
カンボジア事務所 石塚