ネパール緊急医療機器支援 最終報
ナマステ。ネパール事務所長の三宅隆史です。ジャパン・プラットフォームの支援による、コロナ禍対応のための緊急医療機器支援事業を完了しました。ヌワコット郡、ダディン郡の4病院を対象に以下の医療機器・物資を各病院のニーズに合わせて、供与しました。
集中治療室用ベッド:13床、ベッドサイド棚:13台、ベッド兼椅子:13脚、医療用モニター:13台、気管内人工呼吸器(ベンチレーター):4台、マスク型人工呼吸器(BiPAP):6台、輸液ポンプ:6台、シリンジポンプ:6台、救急カート:5台、酸素ボンベ:62本、パルスオキシメーター(血中酸素濃度測定器):80個、抗原検査キット:800セット、個人防護具::60着
各自治体の市長や村長、病院の医療従事者が参加した贈呈式を各病院で行いました。
支援対象の一つであるシバプリ病院の院長は、「私たちの病院は、医師は私一人、看護師は7名だけの小さな病院です。コロナ禍以前から医療機器や物資、人材共に不足していましたが、新型コロナウイルス感染症患者が大勢、来院し、大変困っていました。シャンティの支援を受ける前は、来院した重症患者を治療することができず、郡都か首都カトマンズの病院に搬送するしかありませんでした。シャンティの支援によって医療機器が整備されたことで、重症患者を、当病院で治療できるようになりました」と話しました。
医師25名、看護師75名が従事している大規模のトリスリ病院の院長(下の写真の右の方、筆者は左)は「シャンティの支援で驚いたことは、医療機器の選定について事前に何度も相談を受け、私たちの要望を受け入れてもらったことと、医療機器の調達委員会を構成し、不正を許さず厳正に業者選定を行ったことです。従来の集中治療(ICU)病棟とは別に、シャンティの支援による集中治療が可能な2床を設置した病棟をJapan Ward(日本病棟)と名付けることにしました。供与された医療機器は適切に維持管理し、有効に活用していきます」と話しました。
ネパールでは今年4月下旬に始まった第2波がようやく終息しつつあります。しかし2回目のワクチン接種率はまだ30%で、今後、第3波が起きる可能性が高いと言われています。