ラオス事務所より:「ラオス国ルアンパバーン県における学校衛生環境改善事業」を開始しました
この度ラオス事務所では、外務省のNGO連携無償資金協力により、2023年3月より1年間、「ラオス国ルアンパバーン県における学校衛生環境改善事業」を開始することになり、先日在ラオス日本国大使館において贈与契約の署名式が行われました。
左より 当会ラオス事務所現地コーディネーター 浅木、ラオス教育スポーツ省 対外関係局 シリントン・サッコローカム局長、当会カントリー・マネージャー プッタナリー・タマミサイ(通称:オイ)、在ラオス日本国大使館 小林大使、当会総務経理マネージャー チャントウマ・パニャシリ(通称:ノイ)、在ラオス日本国大使館 菊地書記官
ラオス地方部における学校衛生の状況
ラオス政府は、2025年までに全国の小学校にて水・衛生施設の完備を目指していましたが、新型コロナウイルスによる影響を踏まえ、感染症対策として学校衛生環境の改善を強化してきました。例えば、学校再開のための全10項目のチェックリストを設定しており、その中でも「衛生環境の普及」として、適切な場所への手洗い場所の設置、トイレを含む他の水・衛生施設及びその水源の確保、手洗い習慣の普及などを挙げています。
その一方で、ルアンパバーン県内の718校の小学校のうち、水の供給を伴うトイレがある学校は334校(全体の47%)と半数以下に留まり、手洗い場についても、郡による差異はみられるものの、最も普及率が低い郡では10%程度となっています。
例えば、村まで給水設備が来ていても、学校まで届いていないことも多く、学校にトイレがないため、近所の家にトイレを借りに行く子どもも少なくありません。このため、下痢や呼吸器感染症で学校を休む子どもが後を絶ちません。2021年には新型コロナの感染拡大で長期にわたり学校が閉鎖されました。子どもたちが安心して学び続けるには、学校の衛生環境の改善が不可欠です。
山岳地域の子どもたちが学び続けるために、学校に手洗い場・トイレを設置し、衛生意識を育てる
本事業ではルアンパバーン郡とポンサイ郡の2郡において、学校衛生施設の改善と、学校衛生に関する知識・意識向上のための活動を実施します。
施設の整備とあわせて、教員、地域住民に対して維持管理方法を指導し、活用・管理計画の作成をサポートします。また教員、住民、児童それぞれに研修を行い、衛生習慣の定着のための素地を作ります。教員や住民には、日常的に児童への衛生指導ができるようフォローアップします。
本事業によるトイレの設置により、女の子も安心して学校に通えるようになります。地域住民を衛生環境向上の当事者にすることで、事業の終了後も住民による取り組みが続くことを目指します。
本事業は、外務省のNGO無償資金協力の資金と皆様のご支援により実施されます。
当会が過去にルアンパバーン県郡部において実施した衛生研修の様子