令和5年7月豪雨の活動が終了しました
活動期間
2023年7月20日~12月31日
実施内容
①被災した保育園・幼稚園の蔵書・備品等支援
②NPO ニーズのコーディネーション支援
③復興支援イベントを通じたコミュニティ活性化支援
活動概要
2023年7月14日から16日にかけて東北地方に梅雨前線が停滞、その活動が活発になり東北地方の北部を中心に大雨をもたらしました。特に秋田県では24時間の降水量が観測史上1位の値が複数個所で観測され記録的な大雨となりました。
大雨により地盤が緩んでいる地域では土砂崩れも起き、五城目町では大雨の影響で浄水場が浸水し、約1週間にわたる断水。秋田市では太平川の越水により、市街地で大規模浸水被害が発生しました。また、秋田駅周辺地域も浸水し、7月20日まで秋田新幹線を含む電車の運休を余儀なくされました。秋田県の発表によると県内で9,203棟が被災し、そのうち、7,946棟は秋田市でした。
シャンティ支援活動に取り組むため、2023年7月20日より秋田県秋田市にスタッフを派遣し調査を開始し、社会福祉法人秋田市社会福祉(以下、社協)を始め、支援団体と連携し活動を実施しました。
主な活動はこちらです。
① 被災した保育園・幼稚園の蔵書・備品等支援
秋田市内の保育園・幼稚園4か所が床上浸水被害を受けたため、被災状況の調査を行いました。その結果、災害ゴミ処分や施設の修繕、備品の再購入など復旧に関わる費用のほとんどは自己負担で厳しい状況に置かれていました。夏休み期間の一時保育を行っていた施設は、場所を移し活動を続ける中、夏休み明けから再び子ども達を受け入れることが出来るのか不安を抱え、毎日の復旧作業に追われていました。また、施設の修繕が完了しても、遊び道具や絵本がないと子どもたちの居場所にはならないということで備品・蔵書等の支援を実施しました。
② NPOニーズのコーディネーション支援
災害ボランティアセンターでは、10月17日の閉所までの約3か月間で延べ6,293人のボランティアにより、1,193件の支援活動が実施されました。被災者からの依頼は一般ボランティアが対応する濡れた家財の運び出しや家屋の清掃だけではなく、家屋修繕業者が入るまでの応急処置や家屋保全のアドバイス、また、活動を行う中で見えてくる生活課題を福祉的な対応が必要な場合もありました。そこで、シャンティは被災宅の訪問から被災家屋の状態やその住人の健康状態や経済状況、家庭環境などを加味して、必要に応じて技術系NPOと共に床下作業を行ったり、社協と見守り訪問を行ったりしました。
床の応急処置をお手伝いさせていただいたお宅では作業中に胸中を打ち明けてくださいました。「昨年に20年難病と闘った姉を亡くしたの。最終的には入院していたけどコロナ禍で最後をみとることができなかった」と涙ながらに思いを吐露。今回の水害では、床上浸水被害を受け、心身ともに疲れたけれど、「久しぶりに涙を流し話してすっきりした。これで少し前を向いて生きていける」と語ってくれました。
これらの支援は定期的に行われる災害VCでのケース会議で共有し、秋田市を離れた後も継続的に支援が行われるように意識して調整を行いました。
③ 復興支援イベントを通じたコミュニティ活性化支援
秋田市では被災者が気軽に立ち寄ることのできる居場所として社協を中心にサロン活動「まるっとお茶っこ会」が実施されています。今回は岩手県より桂枝太郎師匠にお越しいただき2日に渡り、「まるっと落語会」を開催しました。
生で聞くのは初めてというが方が多かった落語会は、秋田県の地域ネタを含めた噺が大盛況で会場は笑いに包まれました。落語会後のお茶っこ会では、久しぶりに再会した住民が抱き合って喜ぶ姿もあり、コロナ禍と大雨により地域の交流の場が奪われていたことを改めて実感しました。
協賛・協力:落語芸術協会、秋田市社会福祉協議会、秋田まるっと会議
秋田県曹洞宗青年会、曹洞宗秋田県宗務所、曹洞宗秋田県宗務所婦人会
食材提供:いとく新国道店
*当事業は、主に日本財団、中央共同募金会からの助成金と日本テーラワーダ仏教協会と多くの個人・団体のみなさまからのご支援を受けて実施しました。
また、当会の地域関係団体「ヌンソンサン浜松」の協力により、被災した保育園・幼稚園にピアノを合計9台、パーカッション楽器を寄贈しました。
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