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2024.07.23
海外での活動

【アフガニスタン子ども図書館】子どもたちは今何を思い、どんな生活をしているのか?~シャンティの子ども図書館に通う2人の子どもの声~

アフガニスタン
活動風景

サムネイル写真::川畑嘉文

サラーム・アレイクム سلام علیکم!(あなたがたの上に平安がありますように)

こんにちは!アフガニスタン事務所です。本記事では、シャンティが運営する子ども図書館に通っている子どもたちのインタビューを通して、現在のアフガニスタンでの生活や彼らの思いをみなさまに届けられたらと思います。

子ども図書館ってどんなところ?

 シャンティの子ども図書館は、アフガニスタンの東部にあり、現地のシャンティの職員や図書館員によって運営されています。現在、毎月約170名の子どもたちが来館しており、本の貸し出しサービスや図書館員による読み聞かせだけでなく、特別クラス (補習授業)や裁縫教室など様々な活動に参加することができます。月ごとにイベントも開催され、母の日といった国際的なイベントやアフガニスタンの伝統的な行事なども行っています。今では子ども図書館は周辺住民にコミュニティの中心となる存在となっています。

写真:川畑嘉文

 

今回、子ども図書館に通う2人の子どもにインタビューをし、この子ども図書館に来たきっかけや実際に通ってみてどうだったか、聞いてみました。

【サラ(仮名)の声】

私の名前はサラ(仮名)です。12歳です。家族は父、母、そして6人の兄妹のいる大家族の中で育ちました。父は以前、軍の関係者として働いていましたが、政変後父は職を失いました。母は乳がんにかかり、治療のために家を売らなければならなくなりました。今、私たちは家も失い、厳しい生活を送っています。

私は今7年生(中学校1年生)ですが、2年前から家族の経済的な理由で学校に通えなくなってしまいました。その時、私の人生は終わった、そう思ったのです。そんな中、クラスメートからシャンティの子ども図書館のことを聞き、すぐに通い始めました。ここでは、ノートや鉛筆などの学用品を無料でもらうことができ、たくさんの本に囲まれながら自由に勉強できる環境が整っています。私は特に、絵本の読み聞かせ、英語の勉強や裁縫に興味があり、毎日通って学び続けています。

最近では、読み聞かせの時に文章をただ読むのではなく、絵や写真を見ながら文章を読まなくても物語を伝えられるようになりました。ここに来たばかりの時は、英語を一言も話せませんでしたが、今では簡単な単語の読み書き、会話もできるようになりました。さらに私が大好きな裁縫のスキルを今以上に学ぶことで、将来、家族を支える能力を身につけたいと思っています。

私の夢は、お医者さんか高いスキルを持つ仕立屋さんになることです。私は、この図書館で学ぶことができて、本当にラッキーです。私と同じように学校に通えない子どもたちにも、子ども図書館に来て、学んでほしいと思っています。

日本の皆さんがこの子ども図書館やさまざまな活動を支援してくださっているおかげで、私たちは学び続けることができています。本当に感謝しています。これからも、私のような学校に行けない子どもたちが学び続けられるようサポートしてくださると嬉しいです。ありがとうございました。

 

【サミーム(仮名)の声】

僕の名前はサミーム(仮名)です。去年からこの子ども図書館に通っています。通い始めてから今までたくさんのことを学んできました。ここに来たばかりの頃は、心が荒れていて気持ちの整理ができておらず落ち着きがありませんでした。そんな僕でしたが、通い始めてから気持ちも落ち着き、読み聞かせや読み書きの勉強などのすべての活動を楽しんでいます。今はとても幸せです。この子ども図書館のおかげで、たくさんの良い思い出ができました。

先生たちは、一生懸命勉強して、国や家族のために前向きに頑張っていこうといつも僕たちを励ましてくれます。子ども図書館では、毎月のように活動や飾りつけが変わり、新しいことを学べるのでとても楽しいです。今は学校が3ヶ月間休みなので、午前と午後に図書館に来て、算数や英語を学んだり、本を読んだりして過ごしています。

 

 

僕はソルクロッド地区の出身で、今はジャララバードに住んでいます。春には色とりどりの花が咲き、とてもきれいな町です。祖父母の家には小さな庭があり、僕はそこで畑仕事を手伝ったり、花や野菜を植えたりします。僕は緑に囲まれた自然豊かな場所が大好きで、たくさんの植物を育てています。僕はお母さんが作るビリヤニや豆料理も大好きです。

子ども図書館に来てからたくさんの友達ができ、今ではハニフ(仮名)という親友もいます。彼はとても礼儀正しく、周りのみんなを助けて、正しい道を教えてくれる優しい男の子です。今僕は幸せですが、貧しい家庭の出身なので、できることも少なかったと思います。将来はコンピューターやITを学び、今よりもっと幸せになりたいと思っています。

今まで僕たちを助けてくれた図書館の皆さん、そしてサポートをしてくれた日本のみなさんに感謝しています。アフガニスタンに今よりもっとたくさんの図書館ができ、今以上にたくさんの子どもたちが勉強できるようになることを願っています。

 

シャンティの子ども図書館には、学校に通うことができない児童・生徒をはじめ、帰還民や貧困家庭の出身であるなど、さまざまなバックグラウンドを持つ子どもたちが多く通っています。

現地職員や教師は、彼らの内に秘めている悲しさやつらい気持ちに寄り添いながら、子どもたちを励まし、学べる環境を作り出しています。

写真:川畑嘉文

アフガニスタンの政変から3年もの時が過ぎた今でも、子どもたちは十分な教育を継続的に受けられずに苦しみ、もがき続けています。そのような状況下において、この子ども図書館が彼らの希望であり続けられるよう、引き続き現地職員と一丸となって、支援を届けてまいります。

アフガニスタン事務所