【アフガニスタン教育文化支援】「図書館活動等を通じた多様な教育機会の拡充と女子の教育アクセスの改善事業」を開始しました!
サラーム・アレイクム سلام علیکم!(あなたがたの上に平安がありますように)
ブログをご覧いただきありがとうございます。本記事では、シャンティがアフガニスタンで今年度から新しく開始した教育文化支援事業について紹介します。
2024年3月31日から、『図書館活動等を通じた多様な教育機会の拡充と女子の教育アクセスの改善事業』を開始しました。本事業では、2つの活動をメインに行います。ひとつは、教室不足の学校の教室を増設し教育環境の整備をします。もうひとつは地域の公共図書館を活性化させるための活動を通じて、女子児童・生徒の教育機会の提供へとつなげていきます。
現在のアフガニスタンの教育状況
アフガニスタンでは、2021年8月に起こった政変以降、子どもたちの教育状況はどんどん悪化しています。それだけでなく、政変後は経済・食糧危機も重なり、政変前で約370万人いた学校に通えない子どもの数が著しく増えているのが現状です。緊急措置として、地域での教育活動を展開するために、各地域内には学習教室が設置されていますが、長期的にこの学習教室が維持されていくのは財政的に困難な状況です。そのような状況下において、子どもたちが安心して学べる教育環境の整備がひとつの課題となっています。
さらに、政変時より制限されてきた女子のための教育機会の損失が深刻な状況となっています。政府の女子教育に対する方針により、中等教育レベル以上の女子が学校に通えない状況が続いて1000日以上が経過しました。学校に行けず、家からも出られないような状況が続き、心理的苦痛に苛まれる中、そのような子どもたちが安心して学習を続けられる場所である図書館を運営し、彼らの学びを支えていく事業を運営し、実施していくことになりました。
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事業内容:
対象小学校への仮設教室の建設・増設
- 地区公共図書館の基盤整備
対象地:
クナール県の対象小学校、カブール県・ナンガハル県の公共図書館
裨益者:
・仮設教室利用児童:200人/年間
・各種研修受講者(教職員・図書館職員・地域住民):80人
・学校/図書館運営シューラ:30人
※シューラとは、地域の住民を代表する長老や影響力をもった人からなる組織・コミュニティのこと。
・子ども図書館及び地区公共図書館の利用者:のべ12,000人(年間)
事業期間:2024年3月~2025年3月
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アフガニスタンで政変が起きてからもうすぐ3年が経とうとしています。NGOの活動制限や女性の就業・社会活動の制限そして中学生以上の女子教育の事実上の禁止等、人々の生活が脅かされ、教育を継続して受けられるような環境にないのが現在の状況です。しかし、このような状況だからこそ、シャンティはアフガニスタンの人々に寄り添い続け、私たちにできる支援を現地職員とともに届けてまいります。
引き続き、シャンティのアフガニスタンでの活動を温かく見守っていただけると幸いです。
本事業は、日本NGO連携無償資金協力の助成を受けて実施しております。
アフガニスタン事務所
守屋