難民キャンプの青年・大人向け図書
こんにちは。
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の菊池です。
タイでは、この数日ソンクラーン(旧正月/水かけ祭り)があり、私たちの事務所のあるメーソットでも町中で水の掛け合いが行われ、とても賑わっています
今日は、難民キャンプのコミュニティ図書館に配布している青年・大人向けの図書についてご紹介します
図書館では、子ども向けの絵本の他に、毎月、青年・大人向けの様々な図書を配架しています。カレン語での図書はそもそも圧倒的に数が少なく、図書館へ配架する青年・大人向けの図書の多く(約8割)はビルマ語で書かれたものです。図書の内容は多岐に渡り、ニュース、雑誌、学生用の英語雑誌以外にも、歴史、健康、専門技術などに関する一般図書や小説、漫画があります。私たちは、7キャンプ21のコミュニティ図書館で事業を行なっていますが、平均して、毎月1館あたり約90冊の青年・大人向け図書を提供しています
毎月、合計2,000冊前後の青年・大人向け図書をキャンプに届けている、図書配給担当のピータースタッフの仕事を追ってみましょう。
1.本屋で利用者のニーズにあった図書を探す
2.サンプル本を本屋から持ち帰り、事業マネージャー、出版担当スタッフと配給図書を選定
3.選定図書を、本屋に発注
4.発注した図書が事務所に届いた後、図書の登録
5.21図書館への配給に向けて図書を分類
6.キャンプに図書を運ぶ
7.定期的なモニタリングに合わせて利用者のニーズを調査
(本屋での図書購入。本屋の店員さん)(事務所に届いた図書)
(21図書館分に図書を分類)(難民キャンプの本棚へ)
モニタリングの際によく、もっと青年・大人向けの図書1タイトルあたりの部数を増やしてほしい、雑誌の種類を増やしてほしい、という声を聞きます。何とかこの声に応えるため、限られた予算の中で、よりキャンプの住民のニーズに合う図書を、本屋と値段交渉しながら選定していく作業を今日も続けています。
ウンピアム難民キャンプの第1図書館に来ていた、ノー・メイさん(70歳)が話をしてくれました。
「家にいてもつまらないから、時々この図書館に来るの。ここの図書館員のこともよく知っているから、会いにくるのよ。本の中では、カレンの昔の民話やカレンニュース雑誌が特に好きだわねぇ。ここの図書館にはたくさん本があるでしょ。本がたくさんあるから、すべての本の内容は覚えていられないわね、あはははは。」
そんな風に話しながら、にこにこ笑うノー・メイさんがとても印象的でした。
これからも、難民キャンプの住民の声を聞きながら、小さな子どもたちからお年寄りまで、たくさんの人が楽しめるような図書を提供できるように、しっかり取り組んでいきたいと思います
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所 菊池