2023.08.05
海外での活動

難民キャンプの唯一の解決策「第三国定住」の最近の動き

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ
難民

皆さんこんにちは、BRC事務所のウェンです。本日は最近再開の動きがある難民キャンプでの「第三国定住」についてご紹介します。

調査の様子
(難民キャンプでの「第三国定住」に向けた調査の様子)

ミャンマーで2021年に発生した軍事クーデターを受けて、難民キャンプで暮らす人々が自由な意志と情報にもとづく決断でミャンマーへ帰還する「自主帰還」という道は絶たれました。そのため、難民キャンプで暮らす人々は将来へ希望を見出すことがさらに難しくなりました。大人たちは先の見えない生活に落胆し、子どもたちや若者は進学や就職の機会が限られてしまい、明るい未来を描けなくなりました。

そんな状況下で唯一の解決策が「第三国定住」です。これは、UNHCRとタイ政府の合意のもと始まったプログラムで、タイ・ミャンマー国境にある9つの難民キャンプで暮らす人々がアメリカなどに再定住することが可能です。参加するにはいくつかの条件を満たす必要があります。例えば、現在も難民キャンプで暮らしていること、2015年にUNHCRが実施した調査に参加したことなどです。しかし、「第三国定住」プログラムは2015年から中断されていました。

調査の様子
(難民キャンプでの「第三国定住」に向けた調査の様子)

そんな中、今年の6月から難民キャンプでタイ政府とUNHCRによる第三国定住に向けた調査が開始され、年内に完了する見込みです。
この調査は難民キャンプに居住する人を確認するもので、2015年にUNHCRにより発行されたカード(※)を保有しているか、または2019年~2020年に実施された調査に含まれている人が対象となります。もし、難民キャンプに住んでいてもこれらの条件を満たしていない場合は、調査に参加することができません。今回の「第三国定住」では、年間1万人がアメリカに再定住することが予想されます。
(※UNHCRにより発行されたカードは、身分証明と難民であることの証明となり、支援や保護を受けやすくするために使用されています。)

BRC事務所 ウェン