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2023.08.01
国内での活動

「地域支援のエンパワメントによる外国ルーツ住民への自立支援体制構築事業」を開始します

事業開始

シャンティでは、2023年7月より「地域支援のエンパワメントによる外国ルーツ住民への自立支援体制構築事業」を開始します。
2020年より日本国内で外国ルーツの方々への支援を実施してきましたが、これまでの実績や経験を生かし、より多くの外国ルーツの方々への支援に取り組みます。東京都豊島区で実施している外国ルーツ住民への支援の持続性を高めるともに、周辺地域である東京都北区・練馬区を中心に、豊島区で培われた支援モデルの波及を目指します。

事業内容

①支援へのアクセス向上

アウトリーチの強化により、生活に課題を抱える外国ルーツ住民に向けて、支援への相談アクセス向上を図ります。
これまでに実施した、社会福祉協議会による発信をはじめ、地域や外国ルーツ住民を巻き込んだ積極的なアウトリーチにより、支援を求める多くの人が支援に繋がることを目指します。

②相談会や個別支援実施による課題の整理と生活改善

豊島区、そして周辺地域において外国ルーツ住民向けのフードパントリー・相談会を実施します。これまで計30回実施したノウハウを生かし、弁護士やソーシャルワーかーといった専門家による相談対応を通して、多くの人が課題を整理できる機会を提供します。また、相談のみならず、必要に応じてその後の個別支援を実施することで、外国ルーツ住民の生活の底上げを目指します。

③外国ルーツ支援者の育成

多くの人がともに支え合うことができる地域には、外国ルーツ住民が「支援される側」に留まるのではなく、「支援する側」を担うことは欠かせません。これまでの事業では、4名の外国ルーツ支援者がコーディネーターとして支援に関わり、支援者として大きな役割を担っています。これまで育成されたコーディネーターをモデルに、更なる支援者の発掘と育成を目指します。

④連携促進による支援体制強化

都市部では、多くの支援者・支援団体が存在しますが、言語の壁や支援の専門性不足から、「外国ルーツ住民を支援したいが、どうすればいいのか」という声がよく聞かれます。これまでの事業では、シャンティとともに地域の様々な団体が連携することで、それぞれが「持ち場のある支援」を行い、専門性を繋ぐことで効果的な支援を実施することができました。地域の様々な支援者を繋ぎ、これまでの経験を生かしたエンパワメントを行うことで、社会福祉協議会などを軸として、地域の支援を地域で担うことができる支援体制の強化を目指します。

※本事業は、公益財団法人日本国際交流センターと特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームが休眠預金等交付金を活用して実施する「アウトリーチ手法による外国ルーツ住民の自立支援―困窮からの抜け出しを支える体制づくり―事業」の助成を受け、2026年2月28日まで実施します。

これまでの支援と課題

シャンティでは、2020年6月に認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークと協働で「外国ルーツの子どもの居場所づくり事業」を開始しました。
東京都豊島区を対象地域とするこの事業では、言語や文化の壁、アイデンティティの葛藤など外国ルーツの子どもが抱える課題への取り組みとして、オンラインで子どもたちの居場所づくりを行い、これまでのべ1,000人以上の子どもが参加しました。居場所づくりに取り組むなか、新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの外国ルーツ住民が生活の危機に直面していると、地域の声が聞こえてきました。
そこで2021年5月より、社会福祉法人豊島区民社会福祉協議会、弁護士法人東京パブリック法律事務所と連携し、コロナ禍における緊急支援として、外国ルーツ住民への包括支援事業を開始しました。

外国ルーツ住民は、在留資格や日本語能力などの問題により、生活基盤が脆弱な場合が多く、公助・共助による支援も受けにくい状態である中、コロナ禍によりこの問題が顕在化していました。そのような状況に対し、包括支援事業では、積極的なアウトリーチによる支援の実施と支援者育成を柱として、これまで実施した計30回の相談会には、のべ900名が来場しました。また、地域の外国人を支援コーディネーターとして採用し、支援経験を重ねることで、支援者としての育成を図っています。そしてコロナ禍が収束しつつある今でも、多くの支援が求められています。豊島区で培ったこれまでの実績・経験を生かし、必要としているより多くの方に支援を届けられるよう、これからも活動を続けていきます。

地球市民事業課 国内事業担当