図書室運営研修を実施しました
チョムリアップスオ(こんにちは)!カンボジア事務所の山内です。
今年のカンボジア事務所の学校建設活動では、ポーサット州で4校の校舎建設、バッタンバン州で3校の図書室を併設した校舎建設を行っています。バッタンバン州の学校の2校は初めて図書室を持つことになること、既に図書室がある1校は、図書室担当の先生のみが運営に関わっていたため、利用が中々広がらないという状況があり、担当以外の先生にも図書室運営に関わってもらい、子どもたちの利用促進をしようと、先生を対象にした図書室運営研修を3校で行いました。
今回は、3日間に渡って各学校で実施した研修の様子と、研修の後の子どもたちの様子をご紹介します。
図書室運営研修
研修ではまず、図書室の必要性や図書室の役割について参加者全員が学び、そのあとに実践に入りました。
新しい図書室に配架する本の分類方法について、実際の本を見ながら参加者全員で練習。参加者がすぐに分類が分からない時は、講師の役目を担うシャンティ職員も一緒になって行います。
既に図書室のある学校は、今の図書室レイアウトを確認した後、これから子どもたちにとってより魅力的な場所にするため、どのように改善したらよいかをグループで議論しました。その後、各グループからのレイアウトを発表。本を読む広いスペースを作ることや、学年毎に本棚を分けて、子どもたちが本を選びやすいようにする等の案が上がり、新しいレイアウトが決まりました。
読み聞かせ前に行うアイスブレイクの道具の紹介。参加者全員で絵本を使った読み聞かせの練習も行いました。
図書室の年間活動計画を参加者全員で立てました。将来は学校で読み聞かせ大会をしたい等、意見交換がなされました。その後は活動に必要な予算を検討し、どのように調達していくか検討しました。
参加者が活発に意見交換をする様子や、質問がある場合にはすぐにシャンティ職員に聞く様子などが見受けられる研修となりました。
図書室運営研修のその後
研修が終わってすぐ、各学校では図書室を開放するための準備が始まりました。研修の数週間後に図書室の様子を見に行くと、先生たちが図書室を装飾で飾り、本を長持ちさせるための透明カバーを付け終わった本が並んでいました。休み時間にはたくさんの子どもたちで図書室がいっぱいになり、研修を受けた先生達が学んだことを一生懸命に実践していることが伝わり、一安心しました。
こんな本があったよ!と友達と本を見せ合う様子や
校長先生自ら子どもたちが見ているクメール文字の本を使って、読み方を教える様子が見られました。
これまで図書室のあった学校の先生からは「今まで図書室について良く知らなかったので、何をしたらいいか分からなかった。これから子どもたちを連れてきたり、保護者にも利用してもらうように伝えていきたい」とありました。一方で、初めて図書館運営を経験する学校では「本の管理や利用者の管理がまだ難しい」という声も上がり、研修を担当した職員達とフォローアップをしていこうと話しています。
各学校の図書室運営が軌道に乗るように、引き続き活動を行っていきます。
カンボジア事務所 山内
※バッタンバン州における学校校舎建設は、外務省の日本NGO連携無償資金協力により実施されています。