2022.03.12
海外での活動

手作りおもちゃで遊んでみよう!

カンボジア
活動風景

皆さま、チョムリアップスオ。

カンボジア事務所の幼児教育事業チームでは、引き続きカンボジアの教育省はじめ幼児教育関係者と協力しながら「遊びや環境を通した学び」の実践のための教員向けのガイドブック作成に取り組んでいます。

読み手にとって調べやすく・分かりやすく・取り組みやすいガイドブックにするために、遊びの事例や子どもの様子が分かる写真を入れるようにしています。そして、その素材収集には、バッタンバン州の幼稚園に協力をしてもらっています。

今回の題材は「カメラ」。カメラと言っても本物ではなく、空き箱や廃材で作った手作りおもちゃカメラを使って、身の回りの物を見てみる活動をしてみました。

まず事前に、今回撮影に協力してくれる幼稚園の先生たちとの打ち合わせです。大人たちはスマートフォンで写真を撮ることがほとんどで、カメラは子どもたちにとってあまりなじみがないものです。そんな声もあったので古い紙箱や段ボールで作ったカメラとスマートフォンの2つのサンプルを持って行き、先生方の意見を聞きました。

「カメラのシャッターボタン(ペットボトルのキャップ)を押す感じが良い、こっちの方が楽しそう」、「ファインダーを覗き込むと、いつもと違って見えるんじゃない?」、「首に下げる紐がついていると子どもたちが扱いやすいね」、「作るとき、のぞき穴をあけるのが少し大変かも」など、色々な意見が聞けました。

カンボジアの幼稚園では、先生が一方的に指導をしがちなケースが多く(遊ぶにしても、先生が「こうやって遊びましょう」、「これはこんな風に使います」というような説明に最初に時間を割いてしまうことも多いです・・・)、先生の関わりがとても重要であることもお伝えしています。

先生が楽しそうにしていると、子どもたちの様子もずいぶん違うように見えます。ですので、子どもたちの様子も見ながら、先生にも一緒に遊びに入ってもらい、子どもたちと一緒に楽しんでもらうようにお願いしています。

最初は少し戸惑い気味の子どもたちも、先生が一緒に遊びながらリードしてあげることで、次第に楽しくなってきたみたいです。園庭に出て、カメラの穴から、遊具や植物をのぞいてみています。

「カシャ、カシャ」、「パシャ、パシャ」、「おはながみえるよ」、「パパイヤだ~」子どもたちの会話も弾みます。

「ねえねえ、こっちむいて!」と、カメラを持った子どもたちはお友達やの写真を撮るまねっこもしはじめました。

売店のおばさんも、子どもたちが夢中に遊んでいるのを見て思わずにっこり。

活動の後には、先生と振り返り。「こういう活動は初めてチャレンジしてみたけれど、子どもたちが生き生きとしていた」、「お友達と仲を深めるにもこういう遊びができるかもしれない」と、先生も色々な気づきがあったようです。

一歩一歩ではありますが、先生が「遊び」をベースにした教育を楽しく、手ごたえを感じながら実践していけるよう、事業を通してサポートを続けていきます。

※この事業は国際協力機構(JICA)草の根技術協力事業により実施されています。

カンボジア事務所 石塚