ミャンマーとカンボジアの新たな繋がり
ミンガラバー(ミャンマー語でこんにちは!)ミャンマー事務所より伊藤です。
日本は関東でも大雪とのことで今年の冬も寒さが続いてる様ですが、ここミャンマーでは日中は年中半袖で過ごせます。それでも最近はさすがに、朝晩はかなり冷え込み、厚手のジャケットが必要です。(しかし、足元はみなビーサンのまま)そんなミャンマーより、少しでも皆さまが暖かくなれるブログをお届けしたく思います。
本題です。昨年の12月に、ちょっぴり感動的な瞬間に私自身携われる機会がありました。
私たちミャンマー事務所はミャンマーが民主政権に変わった後の2014年に設立され、シャンティの7地域ある海外事務所の中でネパール事務所に次ぐ2番目に若い事務所です。一方カンボジア事務所は、長く続いた内戦後の1991年より活動開始し、25年以上の経験があるシャンティの中でベテランの事務所です。当然カンボジア事務所には、長年の経験と実績があります。他方ミャンマー事務所はまだまだ経験が浅く、事業の運営や質に沢山の課題があります。(ベテランならではの悩みがあることも勿論ですが。)
この様な背景から、今回、若手ミャンマー事務所内のスタッフの人材育成の一環として、カンボジア事務所に事業視察研修に行くことが叶ったのです。スタッフの育成を通じて今後のミャンマー事業の質の向上を目指して行われた本研修ですが、実に多くのことを学び得ることが出来、何よりも同じ団体の中でも異なる事業経歴を持った両国の事務所に新たに繋がりが生まれました。
その様子の一部ですが、ご紹介します。
シャンティより過去に支援したオータキ学校図書室にて、カンボジア事務所スタッフより迫力ある読み聞かせの実演。
子どもたちがとても嬉しそうに心より楽しんでいる姿が今でも目に焼きついています。と共に、読み聞かせを実演したスタッフが誰よりも楽しんで演じていたことも合わせてご報告。
(使用絵本:「おおきなかぶ」福音館)
カンボジアで使用してきた学校敷地利用計画につき、バッタンバン事務所マネージャーより話を聞くミャンマー事務所スタッフの様子。
就学前児童を対象とした幼児教育の質の改善事業の一部を見学。魅力的な空間に、一同うっとり。
研修最終日に、ミャンマー事務所スタッフより今回の研修で学んだこと、どの様に感じたかをカンボジア事務所スタッフに発表しました。
最後に、両事務所スタッフでバッタンバン事務所前にて集合写真!
八木沢アジア地域ディレクターとミャンマー事務所スタッフでASEANポーズにても。
カンボジアから帰った後も、今回参加出来なかった残りのミャンマー事務所スタッフに、研修で学んだことを共有。
以上、一部ではありますが、研修の様子でした。
今回の研修を通じて感じたことは沢山ありますが、その中でも個人的には、「被援助国同士の経験共有」ということを通じた両国間の繋がりを作れたことはとても大きなことだったと感じました。
「南南協力」(南南協力とは?参考サイト:https://www.jica.go.jp/activities/issues/ssc/index.html)という言葉もある様に、これまで援助の対象だった国が、また別の援助対象国に対して知見を共有しながら協力関係を構築することの重要性が言われています。
カンボジアとミャンマー
両国は異なる言語、歴史、文化があるものの、地理的にも近く、類似した価値観、宗教や生活習慣などの文化的背景が見られます。(今回も、ミャンマー人スタッフはカンボジア国内を歩いていても、地元の人だと思われいつもクメール語で話しかけられていました。)その様な親近感が沸く国同士での交流は、私が感じている以上に両事務所のフィールドスタッフは感じたことがあった様に思います。また、自分たちが援助を受ける立場だけでなく、自分たちの実績を他に伝えられるといったことは、本人たちの更なる自信に繋がったことと信じます。
この様なシャンティの海外事務所同士の交流を実現させるにはコストがかかるため、そう沢山は実現出来ません。
しかし、限りあるリソースを有効に使い、各国間の交流が必ずやポジティブな影響を生む、と信じ、これからもシャンティ全体で、より良い支援事業の実現に繋げられる可能性を大いに感じた研修でした。
さぁ、研修の成果を出すには、ミャンマー事務所はこれからが本番!
またその様子は追って事業の活動報告と共にしたいと思います。
いつも当会のブログを読んで頂き有難うございます。