2025.12.23
海外での活動

カンボジア&ネパール:教育支援に向けた国を超えた学び合い

カンボジア
ネパール

みなさま、こんにちは。ネパール事務所の萩原です。

ネパール事務所では来年より、「少数民族地域のコミュニティ・スクールにおける基礎教育改善事業」を実施します。シャンティがカンボジアなどで長年取り組んできた幼児教育や読書推進活動の経験を活かしつつ、少数民族地域のコミュニティ・スクール(=公立校)の就学前・低学年児童の学びを支援すると共に、ネパールにおける教育格差の是正を目指すものです。
事業開始に向けた準備のため、ネパール人職員によるカンボジア事務所の事業地視察訪問を2025年12月第1週に実施しました。
こちらはバッタンバン市内のモデル幼稚園。園舎の建設や幼稚園教員の研修などでシャンティが長年関わってきた幼稚園です。

カンボジア事務所スタッフから、教室環境の構成について説明してもらいました。

こちらは市街地から離れた別の幼稚園。ペットボトルのキャップなど廃材を使った教材で遊ぶ子どもたち。


一緒に遊ぶネパール事務所スタッフ。


こちらは小学校での読書推進活動の様子。カンボジア事務所のベテラン職員によるエネルギッシュなおはなし読み聞かせ。


読み聞かせ後の「自由読書」の時間。読み聞かせを通じて読書への動機づけが高まった子どもたちは思い思いに読みたい本を手に取ります。


一連の視察訪問を経てネパール人職員は、「おはなしの重要性がわかった」「教室での各種コーナーの設置、環境構成はネパールでも実践できそうだ」「地域で手に入る素材で安価に教材制作ができることがよくわかった」などと感想を述べており、カンボジアの実践を見て、聞いて、肌で感じることで、ネパールでの実践に活かしていく具体的なイメージが沸いたようです。


ちなみに私自身にとっては今回、2019年にカンボジア事務所を離れてから約6年ぶりの訪問でした。シャンティの職員はもちろん何度も訪問した幼稚園や小学校の先生方や行政官の皆さんと再会できたこと、そして事業がさらに発展している様子を見ることができたのはとてもうれしく心強いことでした。
カンボジアはシャンティの歴史の原点でもあり、多くの人が紡いできた歴史やご支援の上に今があります。ネパール事務所はシャンティの海外事務所の中では一番新しい事務所であり、今回の訪問はその歴史を知り、教育支援に取り組むカンボジアの同僚たちとつながる機会でもありました。
カンボジアからネパールへの帰国後、カンボジアとタイの間では国境紛争が発生し、カンボジア事務所は緊急救援に取り組んでいます。
世界中で先の見えない状況がありますが、国を超えた学び合いを大切にする私たちの原点の姿勢を忘れず、できることを一つずつ、それぞれの持ち場で取り組んでいきたいと思います。

ネパール事務所 萩原