ポーランド 社会統合センターの改修開始
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まり、2年半が経過しました。この間、私たちシャンティでは、ポーランドでウクライナ難民支援を続けています。侵攻後、約2,500万人がウクライナから国外へ避難し、そのうち186万人がポーランドで難民申請を行っています。時間が経つにつれて、ポーランド政府も難民支援の方針を見直しており、今年6月には教育や就業支援が優先される一方、シェルターや住居支援への支出が削減される方針が打ち出されました。さらに、最近では難民申請の受付停止の可能性も囁かれており、難民の方々の不安が増す状況が続いています。
シャンティは、難民と地元住民が交流できる場所として、社会統合センターの設置を進めています。センターは元々幼稚園だった建物を改修し、文化活動やポーランド語の学習教室などを提供する予定です。
ポーランドでは文化財の保護を重視しているため、建物の外観を大きく変更することはできません。そこで、元幼稚園として使用されていた象徴的な装飾や外観を残しつつ、新たな人々の居場所となる空間を目指しています。これまでも難民の方々が参加できる文化活動を実施してきましたが、改修後のこの新しい施設で引き続き行っていきます。
2024年夏に実施した子どもむけワークショップ
9月初旬には、現地で改修プロジェクトに関する詳細な打ち合わせを行いました。村の行政担当者や施工業者とともに、建物のコンセプトや設計について協議し、地域住民や難民の方々が共に集い、リラックスできる空間を目指して議論を重ねました。外観を残しつつも、内部は利用者にとって機能的で快適なスペースとなるよう、インテリアのデザインについても具体的なアイデアを出し合いました。
改修前の建物
施工業者との打ち合わせの様子
改修に使用する材料や仕上げの方法など、オンラインではなかなか伝わりにくい事項をじっくり現地の業者と共有することができました。建物は年内に完成する予定で、地域の人々に活用されることをとても楽しみにしています。
本事業は外務省日本NGO連携無償資金協力により実施しています。