2025.03.04
緊急人道支援

移り変わる生活 移動図書館活動|令和6年能登半島地震

国内災害
震災

能登の冬は日本海の影響を強く受け、曇天が多い中、時折、朝に顔を出す青空を楽しみに毎日を過ごしております。

今年に入ってなお、昨年9月に奥能登を襲った豪雨の爪痕は色濃く残っており、傷口に沁みるような雪が白く降り積もっています。2月22日には、輪島市で6時間の降雪量が27センチと観測史上最大を記録。普段雪が積もることのない海沿いの地域にある仮設住宅でも雪かきする姿を目にしました。

車両は気づけば雪に埋もれてしまいます

地震で滑落した山道は雪により更に狭く感じられます

この間も引き続き、輪島市図書館と協力しながら移動図書館活動を行っております。

昨年、9月より豪雨の被害を受けた方たちの避難所として開設されていた公民館も多くありましたが、徐々に解消に向かい移動図書館活動を久しぶりに再開できた地域も出てきました。

1月末、輪島市南志見地区にて約4か月ぶりに移動図書館活動を再開しました。

70代女性「9月ぶりやね。大雨で本当に大変やった。まだまだしんどいけど久しぶりに日常が戻ってきたように感じる。」

南志見公民館は昨年9月から年末まで避難所として使用されていました。これから公民館活動を少しずつ再開していき地域の人が集まれる場所として、移動図書館活動が一役を担うことが出来たらと思います。

4か月ぶりに訪れた公民館での移動図書館

輪島市の東部に位置する町野町では、町中心部が広範囲で浸水・土砂被害に遭い、町内にある図書館も浸水。現在も施設の復旧作業が行われており休館中のため、輪島市中心部にある仮設輪島市立図書館へ行くには1時間ほどかかります。そこで、今年から町野町でも移動図書館の巡回を始めました。

60代女性「待っていました!図書館を楽しみにしていた!」

50代女性「これまで本を読む機会はあまりなかったけど、震災後、独り時間を過ごすため本を手に取るようになった。こんなに遠い所までありがとう。」

日々変わる状況に併せ、必要な時に必要な場所へ少しずつ活動が広がりつつあります。

移動図書館では貸し出しを行っています

輪島市では今もなお4か所の避難所が開設されており、100人程が避難生活を余儀なくされています。避難所には、豪雨被害を受けて建設中の仮設住宅へ入居待ちされている方も多くいらっしゃいます。

80代男性「ここに来て気づけば半年も経ったか。地震の時から年明けても避難所で過ごしていると思わなかった。」

ぜひ今の能登を多くの方に知って欲しいと思いながら日々活動を続けています。

厳しい冬は昨年の断水が続く避難所を思い出させます。

3月に入り多くの学校で卒業式が行われています。4月に入れば仮設住宅が完成し、避難所から生活を新たにされる方や進学する子ども達がいます。希望を感じる春の芽吹きを心待ちに寄り添いながら過ごしていきたいと思います。

国内事業課 中井

■活動へのご協力を重ねてお願い申し上げます■