サバイディーピーマイ
新年あけましておめでとうございます。
ラオス事務所の加瀬貴です。
ラオス事務所では、ルアンパバーン県の山岳僻地に住む少数民族を対象にした活動を始めて、2016年で3年目を迎えます。
教員の指導能力強化(複式学級運営および指導教材の活用技能)、教材作成、移動図書館活動を通じた読書推進、コミュニティーの参画を通じた学校建設、を主な活動とし実施してまいりました。
複式学級クラス
「ラオスの今」に焦点を当て、もっとも困難な人びとを対象に、必要としている支援を実施することをモットーに歩んでまいりましたが、現在実施しているプロジェクトは挑戦の連続です。
ヴィエンチャン首都から15時間以上、フィールド事務所があるルアンパバーンの町からも4時間以上かかる対象地。対象地にある68校の小学校の内、域内に道路がなく小さなボートでしかいけない学校が4校、また雨がふるとがけ崩れや道路の悪化により、半数以上の学校に車両でアクセスができません。
事業地の道路
このような状況もあって、また、ラオスの小学校も気候を鑑みて6月~8月の3か月が長期休みになるため、事業は乾季(10月~5月)に集中して実施しています。
フィールド事務所からも4時間以上かかり、また事業地内の移動でも、もっとも遠い小学校までは2時間~3時間のため、活動を行う際は事業地にある小さなゲストハウスに泊まり込みます。
乾季は1か月の内、2週間から3週間は事業地に張り付いているため、事務所スタッフが顔を揃えることも難しい状況です。
家族があるスタッフ、子どもがいるスタッフ、ヴィエンチャン首都に家族を残し単身で赴任しているスタッフ、それぞれの状況は異なれど、根無し草のような生活の中で、「少しでもラオスの僻地に住む子どもたちにより良い教育を受けてほしい」、「自身も僻地出身で子どものころに学校に行くのが大変だったことから、同じ思いを今の子どもにさせたくない」、「自分の子どもだけでなくすべてのラオスの子どもに平等の機会を与えたい」などの強い思いで、この活動を頑張っています。
ラオス事務所の職員
日本人として、ラオスの人びとの笑顔、やる気、そして頑張る姿勢に感銘を受け、そして、勇気をもらうことが多いと感じています。
何事もゆっくりで穏やかな、そして、日本人の私たちからすると、ちょっといい加減なこともありますが、将来への希望に向かい頑張るラオスのみなさんの思いを、遠く日本から応援してくださる皆様に、しっかりと伝えていくことが、日本人としてラオスで働くことができる私の役目でもあると思います。
日本とラオスをつなぎ、双方に友好関係を築き、日本のみなさんに、隣人や親しい友人に思いを馳せるように、ラオスの人びとに対しても思いを馳せてほしい。
年頭にあたり、そんな思いが頭をよぎりました。
今年も、よろしくお願いいたします。
ラオス事務所 所長
加瀬貴
©Yoshifumi Kawabata