2015.05.15
海外での活動

ミャンマー事務所図書館スタッフ タイでのワークショップに参加

ミャンマー

ミンガラバー。ミャンマー事務所の中原です。

「シャンティのパートナー団体として、ミャンマー事務所の力になれるのであれば嬉しい限りです。」シーカー・アジア財団アルニー事務局長、そして「シャンティの新たな家族の一員となったミャンマー事務所に私たちのこれまでの15年にわたる学びや経験を共有できればと思います。私たちも最初はゼロからの出発でした。だからこそミャンマー事務所のこれからの活動に少しでも力になれればと思っています。」ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所セーラー所長代行より、各事務所を訪問した初日にもらった言葉です。

アルニー事務局長からタイでの図書館事業の説明を聞くミャンマー図書館スタッフ

アルニー事務局長からタイでの図書館事業の説明を聞くミャンマー図書館スタッフ

今回、国際交流基金アジアセンター「アジア・市民交流助成」を受けて実施している「タイミャンマー国境を越えた交流とワークショップを通したミャンマーの平和構築事業」を通じてミャンマー事務所図書館事業スタッフのタイでのワークショップ参加が実現しました。本ワークショップには、日本から気仙沼事務所の笠原スタッフも参加、東日本大震災で被災した地域での図書館活動についての経験を共有もらい、参加者それぞれの文化や背景を理解し学びあうことで異文化理解と心の平和構築へとつながることを目指しています。

11日から16日まで行われるワークショップ、初日はシーカー・アジア財団を訪問、大ベテランの図書館スタッフのソムサックさんによる「おおきなかぶ」の読み聞かせや図書館チームによる人形劇などのプログラムにクロントイスラムの託児所の子どもたちと一緒に参加しました。昨年12月に公共図書館での児童サービスが開始してから読み聞かせ活動に日々奮闘してきているスタッフたちは、彼らの迫力とお話しの世界にすっかり引き込まれてしまっていました。大きな刺激があったことだと思います。

人形劇用舞台の材料、組立て方法について説明を受ける図書館スタッフ

人形劇用舞台の材料、組立て方法について説明を受ける図書館スタッフ

この日の夕方にバンコクからメーソットへ移動、2日目からミャンマー(ビルマ)難民事業事務所でのワークショップが始まりました。まずは難民キャンプの現状や事業説明を受け、その後にメラ難民キャンプへ移動。彼らにとって初めての難民キャンプ訪問です。少し緊張した面持ちでしたが、図書館に移動してからはミャンマー国内では見られない数の絵本に囲まれ、整理整頓された明るい環境の館内を目にしてわくわくした様子でした。40度近い暑さの中でも館内を休むことなく歩き回り、セーラー所長代行の説明に聞き入り、学びたいという強い姿勢がとても伝わってきました。

セーラー所長代行より絵本についての説明

セーラー所長代行より絵本についての説明

図書館に集まった子どもたちにミャンマー語で自己紹介

図書館に集まった子どもたちにミャンマー語で自己紹介

2日目はミャンマー(ビルマ)難民事業事務所にて図書館事業の各活動の説明を受けました。絵本出版、図書購入や配布、モニタリングやデーター収集の手法など、現在の自分たちの業務に直結する内容ばかりであり、貴重な学びの場となりました。一方でスタッフにとってこの日の一大イベントはミャンマー事務所の事業説明。プレゼン資料作りから発表まで初めての経験だったため、前日まで資料の確認、プレゼンの練習と大変でした。でもこうした経験を通じて、自分たちの事業の意味が一層深まってくるのだと思います。

トータ・スタッフによる事業説明、緊張が伝わってきました

トータ・スタッフによる事業説明、緊張が伝わってきました

3日目の今日は、再びメラ難民キャンプを訪問。図書館で実際に使われているお話しの種類を紹介してもらいました。操作する棒の先に紙に書いた登場人物を表裏に描いてはりあわせて動かす「巻き込み式ペーパーパペットシアター」にスタッフは夢中。ただ男性スタッフ2名は使い方に四苦八苦していましたが(笑)

午後には家庭訪問をして難民の方々に直接、話しを伺う機会を得ました。

家庭訪問の様子

家庭訪問の様子

カレン州での生活、タイ側に逃れてきた理由そして難民キャンプでの生活のことなど話しを聞き、何か質問は?と言われてスタッフはなかなか言葉を発することができませんでした。2ヶ所目の家庭を訪問した際のこと、「父はミャンマー軍にポーターとして強制労働をさせられ、体調を崩し亡くなりました。母が亡くなる直前に、この村にいる限り幸せな生活はできないからタイ側に行きなさい、そしてミャンマーには戻ってきてはいけないと言いました。だから私はミャンマーには戻りたくはありません。」この言葉を聞いた時に、スタッフの一人はノートにメモっていた手を止めてしまいました。
何か質問は?という問いに「質問ではないですが、私はだからこそミャンマーは平和にならなければならないと思っています。」と最後に自分の気持ちを伝えていたことがとても心に響きました。

シャンティの先輩たちからの学び、出会った人々からの学びそして気付き、ここタイでのこれらの学びを彼らと共にミャンマーの全ての子どもたちのために生かしていきたいと思います。

ミャンマー事務所
中原 亜紀