ピー事務所に着任しました
はじめまして。8月15日にミャンマーのピー事務所に着任しました阪口佳代です。
これから1年半、ピー事務所を拠点とした図書館活動や学校建設等の事業を担当します。
まだ到着ホヤホヤのため、今回はこの数日間の感想などを送らせていただきます。
(まだ写真もほとんど撮れていないため、文字が多くてすみません!)
~ ミャンマー到着 ~
12年ぶりにやってきたミャンマーですが、聞きしに勝る変化ぶりにたまげた、というのがヤンゴン到着時の感想です。
現在のミャンマー社会の変化は日本国内でも様々に取り上げられており、私も、日本を出発する前に、劇的な変化を見せているといわれる「ミャンマーの今」が書かれた“ミャンマー本”を片端から読んでみました。そうして、それなりの事前情報を得て到着したミャンマーでしたが、ヤンゴンの飛行場に降り立った時点で、早速その変化ぶり、「発展」ぶりを直に見ることになりました。
12年前のヤンゴン国際空港は、建物が簡素なだけでなく、当時のこの国の持つミステリアスな雰囲気を備えており、少し緊張して入国手続きや強制両替したことを覚えています。現在の新築のヤンゴン国際空港は、高い天井と明るく華やかなイルミネーション、清掃の行き届いた清潔な施設など、かつての空港とはかけ離れたものでしたが、その中でも印象的だったのが、空港内のあちこちに貼られた民間企業の大看板でした。外資系銀行やクレジットカード会社、自動車販売会社、携帯電話や大型家電、そして観光業。国の玄関口に掲げられたこれらの看板群が、現在のミャンマーの一面を象徴しているようで、興味深く眺めることになりました。
ミャンマーの爽やか系男子がコカコーラを手に、Welcome to Myanmarと微笑みかける看板の脇を通り、空港内の(民間)銀行で普通に両替をして、そしていざ、ヤンゴンの町に出ていきました。
~ ミャンマーでスマホユーザーになる ~
私事ですが私は日本で「らくらくフォン」と称する高齢者向け携帯電話を愛用しており、日本のIT文明の圏外で生活してきたのですが、それがミャンマー上陸数日目にしてスマートフォンを買うことになりました。それは、ミャンマーが(私にとっては)想像を絶するスマホ社会で、私もこちらで仕事をする以上スマホを持っていないと職務を全うできないのでは、いや、職務に取り掛かることもできないのではと心配になったからです。
いずれにしましても、まさかのミャンマースマホデビューです。
そもそも買う側の希望以前に、こちらの携帯ショップではずらりと並んでいるのは各種スマホで、昔ながらの携帯電話は中古品が隅に置かれている程度。普通の携帯を買うほうが難しそうな状況です。
また、そのスマホを、誰が使っているか。
これがもう一つ、普及率の高さと共に私が驚いていることです。
滞在しているゲストハウスにいるおじいさん、片言の英語で親切に世話をやいてくれますが、ロンジー(腰巻)にはスマホがしっかり挟まっています。昨日はシャンティの実施する学校建設事業の現場を訪ねましたが、工事現場でも、皆さん「ロンジーにスマホ」です。スマホがオフィスワーカーや若者等だけでなく、老若男女の「庶民の道具」として定着している様子に、日本から来た私もびっくりです。
今回私が買ったスマホは、日本円で約11,000円。
早くゲストハウスのおじいさんのように、スイスイと操れるようになりたいものです!
~ 日本の図書館からミャンマーの図書館へ ~
ミャンマー出発の前日、勤めていた東京都内の公共図書館に行きました。
在勤時に知り合った利用者の子どもたちに「ミャンマーに行ってきます」を言うためです。
6年生のお姉ちゃんと2年生の弟くんは、お別れだからか少しかしこまっています。毎週、決まった曜日の決まった時間に図書館を訪れて、学校や本やサッカーの話をするうちに親しくなったご家族です。日本の図書館員にとっても、利用者の方々とのやりとりが、一番勉強になりますし、励みや楽しみにもなります。この図書館を退職すると伝えた時、1年生だった弟くんが「じゃあ、僕も(私が次に勤める)そっちに行く」と宣言、以来、会うたびに「どこの図書館に行くことになったか」と尋ねてくれました。「ミャンマーというところに行くことになった」と伝えた時のポカンとした顔を見て以来、あっという間に出発の前日になりました。
「ミャンマーというところには140種類の人たちや言葉があるんだって。想像もつかないね」「ミャンマーにも図書館があるけれど、こんなに沢山は本がないみたい」「学校に行っていない子どもや、途中で辞める子どももいるそう。お家のお手伝いで忙しい子どももいるからね」などと、ぽつぽつとお話しているうちに時間になり、「じゃあ、これからも図書館に来てね」と言ってお別れとなりました。
図書館を出て後ろを振り返ると、姉弟が飛び出してきて、大きな明るい声で「行ってらっしゃ~い!」と手を振ってくれました。
日本の図書館で出会った子どもたちも、そしてこれから出会うミャンマーの子どもたちも、皆が読書の楽しさを知り、分かち合うことができますようにと思います。そして、図書館が、子どもたちを含む地域の皆の居場所、拠り所となりますように、ミャンマーの地で少しでもそのお手伝いができれば幸いです。
皆さまどうぞよろしくお願いいたします。