2022.03.11
海外での活動

コミュニティ図書館が開館しました

ネパール

ナマステ。ネパール事務所長の三宅隆史です。シャンティがネパールで初めて支援したコミュニティ図書館が開館しました。カトマンズから車で1時間半のラリトプール郡にあるゴダワリ図書館です。ゴダワリは市の名前です。

図書館は3階建ての耐震構造で、障害者のアクセスにも配慮しています。1階には図書室、児童室、青年室、防災用備品保管室、2階には、受付、研修室、ICT室、女性室があり、3階には事務室があります。1階と2階にトイレがあります。特徴的なのは、図書館の運営資金を捻出するために、2階の写真正面に見える部屋を店舗に賃貸して、家賃収入を得ていることです。ネパールでは学校でも資金調達のために施設の賃貸が行われています。

この図書館は正式にはCommunity Library and Resource Centerといい、日本の公民館にような学習施設でもあります。識字、農業、生活改善、母子保健、若者や女性のリーダーシップ、コミュニケーションスキルなど住民の学習ニーズに応じた多様な教室が開かれています。スタッフは図書館員1名とコンピューター指導員1名で、子どものケアや図書貸出を交代で行うユースボランティアが数名います。週に6日開館しています。ネパールでは法律で現地NGOと提携して事業を実施することが定めらているため、READ Nepalという図書館をこれまでに68館設立した経験のあるNGOと協働しました。

竣工式には、1500人の住民が参加しました。

外務大臣が主賓として参加され、テープカットをされました。大臣は、我々は日本の公共図書館の発展の歴史に学ぶべきです、と述べられました。

ゴダワリ市長から感謝状をいただきました。左が図書館運営委員長です。コロナ禍のため、建設工事は約8カ月間遅れましたが、無事に完成しました。開館した2021年12月の月間利用者は2,860名を数えました。

図書館建設にあたっては、外務省のNGO連携支援無償資金の他、日本の民間支援者からご協力をいただきました。また、ゴダワリ自治体が資金を拠出した他、住民も寄付しました。図書館運営委員長のリーダーシップのもと、住民が寄付をしたことは、図書館に対する住民の参加と所属意識を高めています。