【ネパール地震】いよいよ着工!女性用シェルター
ナマステ!(ネパールの言葉で「こんにちは」)
緊急救援室の木村です。本日もネパールから活動の様子をお届けします。
ヌワコット郡のサムンドラデヴィ村を初めて訪れたのは、4月25日の地震から1週間後。食糧や毛布などの配布をしたその時には、地震のために道路が岩で塞がれており、村の中心地区まで入ることが出来ませんでした。アクセスの悪さから、政府や他の団体からの支援が届かず、私たちの配布は小規模だったにもかかわらず、村の人たちからとても感謝された記憶があります。
それから約3ヶ月。
村の周囲はすっかり深い緑一色に。雨季のため、道路はぬかるんで相変わらずアクセスは良くないのですが、今回は何とか女性のためのシェルターを建設する場所までたどり着きました。
今日はシェルターの着工式。たくさんの女性たちが、私たちを迎えてくれました。遠いところの人だと、1時間くらい山道を登ったり下ったりして駆けつけてくれたとのこと。有難いです。
着工のセレモニーは、ネパール式。最初に女性たちが私たちに歓迎の花やレイをかけてくださったり、ティカと呼ばれる赤い印をおでこの真ん中につけてくれました。
この村に限らず、ネパール全国で世帯主である男性が海外へ出稼ぎに行っているため、女性(奥さん)が家計のきりもり、家事、子育てと一人何役もこなさなければならない状況が発生しています。特に、地震で家が壊れてしまった女性たちにとっては、生活を立て直すのは容易なことではありません。また、旦那さんと一緒に暮らしている場合でも家庭内暴力などの問題もあり、女性たちが一時的に避難したり、生活の相談をしたりする場が求められていました。そして、シャンティはヌワコット郡をベースに活動する現地のNGOと一緒に、女性たちのためのシェルターを建設することにしたのです。
地震前から女性たちの活動を主導しているニールマラさん(35歳)によると、ネパールは男性社会ということで、家のことなど何でも旦那さんが決めることがほとんど(もちろん全てではありませんが)。女性グループの活動に参加を促しても、旦那さんが外へ出ることを許してくれない例もあり、説得に苦労することもあるとか。地震前は、家庭内暴力や女性・女児の人身売買などが大きな問題になっていましたが、地震後はそれらに加え、家や家畜の被害からどう生活をたてなおしていくか、多忙ななか子どもの世話なども大変になったとの課題がある様子でした。
女性用シェルターには、子どもたちが安心して遊べる場所(チャイルド・フレンドリー・スペース)も設置し、個々の女性たちの負担が減るように、村の人たちがみんなで子どもたちの世話ができるスペースもつくる予定です(上の写真の左側の女性たちが立っているところの溝は、シェルター用の柱を立てるために掘られたものです)
女性グループのお子さん。彼女も利用してくれるかな。
工事が順調に進めば、3週間後くらいにはシェルターが完成し、その中で女性たちが生活再建のための活動を始められる予定です。女性たちは早速、シェルターを活用していろいろな研修をする計画をたてていました。次回の訪問時に活発に活動している彼女たちの姿が見られるのを楽しみに、村を後にしました。
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
緊急救援室 木村・笠井
※尚、仮設教室建設・トイレ建設の事業の一部はジャパン・プラットフォーム(JPF)からの助成金を受けて実施しています。