地域学習カリキュラム普及事業のモニタリングを行いました
ナマステ。ネパール事務所長の三宅隆史です。「先住民族地域における地域学習のカリキュラムの開発・普及事業」の学校でのモニタリングを行いました。 計6校を訪問し、教員研修会で指導した、①地域学習の授業が適切に実施されているか、②設置した図書コーナーが適切に運営され、児童に利用されているか、③供与した紙芝居が適切に演じられているか、を明らかにし、必要な指導・助言を教員に行うことが目的でした。
地域学習の授業は、5校では、1年生から5年生で週に5コマから6コマ、供与した教科書を使って実践されていました。地域学習の教科書に掲載したラクシランの歌を朝礼の際、国歌斉唱の前に歌っていたり、5年生が自宅の菜園には36種類もの野菜が育てられていることを発見したり、教科書に紹介されている瀧を見学に行ったりなど、質も確保されていることがうかがえました。教員にとっても児童にとっても地元のことを学習するので親しみやすく、興味深いとのことでした。
図書コーナーは6校とも幼児クラスから5年生まで100冊づつの本が配架されており、休み時間や自習時間に活発に本は読まれていました。3割の児童は毎日図書コーナーの本を読んでおり、その他の児童も週に1回は本を読んでいます。全校の幼児クラスの教員は読み聞かせを実践していました。なお、家庭に子どもの本がある児童は皆無でしたので図書コーナーの必要性の高さを確認しました。一方、供与した本が適切に登録されていない、図書コーナーのルールが教室に貼られていない、読んだ後返却しない児童が少なからずいる、といった課題がみつかりました。
供与した2タイトルの紙芝居は、5校では紙芝居台を使って、適切に演じられていました。児童は紙芝居が好きで、また演じてほしいと教員に求めてくるとのことでした。
ネパールの学校は教員の不足、劣悪な学習環境、低い教員の給与といった問題のため、研修に参加した教員が必ずしも、研修に参加できなかった他の教員に研修内容を伝えていなかったり、本人自体が研修で学んだことを適切に実践していなかったたりします。これらを解決するためには、学校現場に行って、教員を励まし、応援することが必要です。ネパール事務所では、本事業の対象の51校すべての学校をモニタリングし、データを収集するとともに、指導・助言を行っていきます。