ポーランドでの新規事業のご紹介
みなさま、こんにちは。
ポーランド事務所に駐在しています、芦田雄太です。
2023年5月をもって、Shanti Volunteer Association Poland として、ポーランドで事業を実施していくためのNGO登録が完了しました。今後、紛争が長期化する中で、息の長い支援を続けていければと思っています。
(ワルシャワ事務所の前で。右から現地コーディネーターのGleb職員、芦田職員、竹本職員)
本日は、新しくポーランドで立ち上げた事業についてご紹介させていただきます。
ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから1年4か月以上が経過しました。戦闘は収まるどころか、激しさを増し、いまだに子どもを含む多くの民間人が犠牲になっています。避難民は故郷への帰還の目途が立たず、避難先で生活を立て直そうと奮闘しています。
ウクライナ国内への支援に加え、周辺国家やコミュニティにおいては長期化する戦争によって生じた負の影響をこれ以上波及させないこと、また、軽減する取り組みが同時に求められています。国際機関、政府機関、コミュニティと連携し、避難民を受け入れている行政の受け入れ能力の向上および支援メカニズムの基盤構築、避難民の社会統合などを積極的に進めていく必要があります。
このような状況に対応するために、シャンティは2023年3月31日より、外務省令和4年度補正予算によるウクライナ・ポーランド支援N連事業(日本NGO連携無償資金協力)として、“カミエナ・ゴーラ郡における社会統合促進事業”を開始しました。
本事業では、ポーランド共和国ドルノ・シロンスキエ県カミエナ・ゴーラ郡ルバフカ町において、既存の公共施設を改修し、避難民の一時的な居住設備を備えた社会統合支援センターとして整備することで、地方小規模都市における社会統合の推進を図ります。
(改修予定の公共施設)
居住設備はルバフカ町に定住を希望する避難民または困窮している避難民への貸し出しが可能なものとし、センターには利用者が定住や生活再建に必要な情報を提供する窓口を設置するほか、避難民やホストコミュニティが共に教育・文化活動に参加できる空間を整備し、地域との交流を促します。
(ルバフカ町行政との調整会合の様子)
これらの活動は、ポーランド政府のウクライナ避難民の社会統合を促進する支援政策や、難民に対する社会的・地域的支援メカニズム、難民コミュニティ内およびホストコミュニティとの社会的連帯を促す国際的な支援対応計画にも準じており、長期的には小規模都市における避難民及び住民が利用できる社会統合支援メカニズムの構築にも貢献することが期待されます。
(事業のコンセプトの一つ)
引き続き、ルバフカ町行政をはじめとするウクライナ避難民支援に関わるポーランドの方々や、日本大使館・関係者の皆さまとともに着実に取り組んでいきたいと思います。
チーフ 海外緊急人道支援担当 芦田雄太