2025.09.18
開催報告

夏休みボランティア「翻訳絵本をつくってアジアに届けよう!」2025開催報告

イベントレポート
ボランティア
夏休み
絵本を届ける運動

2025年8月23日(土)、シャンティ東京事務所1階の慈母会館にて、
『夏休みボランティア 翻訳絵本をつくってアジアに届けよう!』のイベントを開催いたしました。

本イベントでは、夏休みの自由研究として、社会貢献活動の一貫として……など、
お子様から大人の方まで、どなたでもご参加OK、午前と午後の2部制にて、
18組、合計21名の方にご参加いただきました。

アジアの地域の本を知らない子どもたちと、その子どもたちの暮らし、世界の現状について一緒に学ぶ機会とし、そんな子どもたちへ届ける翻訳絵本づくりを行うイベントとして、シャンティが主催いたしました。

●ワークショップ前半「世界のこと、自分のことを知ろう」

この日も朝から強い日差しの中、沢山の方にお集まりいただき、【午前の部】が始まりました。

まずシャンティの職員より、スライドを映しながらシャンティの団体のこと、活動内容についてご紹介をしました。

シャンティでは、これまで40万冊以上の本をアジアの国々に届けてきました。本を届ける理由は、困難な状況にある子どもたちが、「生きる力」を身につけられるよう「学ぶ場所」を作りたいという想いがあるためです。

メモをとりながら聞いてくださる方も多くみられ、土曜日の朝から学びの時間が流れます。

つづいて、シャンティが公開している映像、トー君の図書館「たのしくまなべるおうちじかん」を上映しました。

トー君は、難民キャンプで暮らす男の子です。映像を見て、次の内容について、トー君と自分の生活を比べて考えます。

 「どんな暮らしをしていますか?」
 「自分の通う学校と、どこが違いますか?」
 「好きな絵本や本はなんでしょう」
 「どんな夢を持っていますか」

質問の回答は、配布したワークシートに記入できるようになっています。

[一般用ワークキット_小学校高学年向け_2021]  資料はこちらからダウンロードいただけます。

「難民キャンプってなあに?」。 「難民」という言葉の意味や、難民キャンプの生活についてお話をしました。同年代の子ども、または自分が子どもだった頃、さらには日本との生活の違いに注目します。

充分な教育が受けられないアジアの子どもたちの状況を知り、より身近な問題として感じる時間になったのではないでしょうか。

さて、【午前の部】参加者の最年少は、小学校一年生の女の子でした。ワークシートに記入した内容を発表する時間、好きな絵本と、「おおきくなったら、魔法使いになりたい」という夢を教えてくれました。

さらに【午後の部】では、保育園に通うお子様も3名集合してくれました。年長さんの女の子の夢は「歯医者さん」になることでした。

●ワークショップ後半「翻訳絵本をつくってアジアに届けよう!」

ご用意した6種類の絵本から、おひとりずつ好きな絵本を選んでいただきました。

絵本には、現地の言葉が印刷された翻訳シールを切って、貼っていきます。

ご参加者様の中には、これまでに絵本を届ける運動に参加経験のある方が何組かいらっしゃいました。

そういった方が「もっと詳しく知りたくて参加しました!」と言ってくださり、担当職員としても、とても嬉しい気持ちになりました

●特別編:ミャンマー留学生によるビルマ語講座と、読み聞かせ

今回のご参加者様の中に、なんとミャンマーから留学中の学生さんもいらっしゃいました。

ミャンマーには、135ほどの少数民族が暮らしており、民族ごとに独自の言葉を話します。

今回は特別にご協力いただき、ホワイトボードを使って、ビルマ語の書き方・書き順について、実際に参加者のお名前を書きながら説明をしていただきました。

日本語もとてもお上手で、書きながら丁寧に説明してくれました。

ミャンマーの子どもたちは、幼稚園でノートに何冊も「〇」を書く練習をするのだそうです。

参加者ひとりひとりのお名前を書き、一緒に記念撮影までしてくれました!

さらにこの後、ビルマ語による読み聞かせをしてくださることに。職員が日本語で朗読し、つづいてビルマ語でお話が展開されます。日本語では短い文章が、ビルマ語では長文になる箇所もあり、その違いが、読み手にわかりやすい訳で書かれているためということを教えてくれました。

勉強熱心で積極的に参加者との交流もしてくださった留学生さん。お話をしながら、現地のこと、日本での生活のこと、私たちに様々なことを教えてくれました。

●ワークショップ終了:「ボランティア参加証明書」の授与

ひとり1冊作っていただいた翻訳絵本は、めでたく完成しました。ページ数が多かった絵本も「作りごたえがありました!」と笑顔で話されるお父さん。「完成した時の達成感がありました」という学生の方。賑やかにワークショップは終了となりました。

そして最後に、夏休みの宿題として学校にも提出できる「ボランティア参加証明書」をお渡ししました。

「絵本を届ける運動」にご参加いただいた方には、こちらの証明書を進呈しています。

 

今回は静岡や大阪といった遠方から足を運んでくださった方もいらっしゃいました。

事前にお寄せいただいたシャンティへの質問や終了後のアンケートには、ボランティアや国際協力に関して知りたいという方、分からないけど知りたい!という方など、様々な想いで集まった皆さんが集まってくださり、イベントを通して、楽しい時間を共有することが出来ました。

ここで、当日ご参加くださった皆さんの声をご紹介いたします。


・「親しみやすい雰囲気で参加しやすかったです!」

・「年齢が低い子に対しても易しい説明とサポートで楽しめました。」

・「たのしかったです、しいるのはることがたのしかったです」

・「始めにボランティアのお話やパンフレットを拝見して、すごくわかりやすかったし、
私がどの人へ力になれたり、届くのかをイメージできたことがすごくうれしい。」

・「とても素敵な取り組みに参加することができて嬉しいです。
大学に進学して落ち着いたら是非また参加したいです!」

・「”あたり前の日常”があたり前ではなく、とても恵まれた環境であることを、
子ども達が感じてくれたらと思います。」


2025年の夏休みイベントにご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました!

 

アジアにはまだ「本を知らない子どもたち」がたくさんいます。

絵本は「言葉を知る喜び」や「新しい世界」を教えてくれます。

シャンティではこれからも、困難な状況にあるアジアの子どもたちに絵本を読む機会を届けながら、「学べる場所・機会」を用意し、教育文化支援活動を継続してまいります。

 

◆2025年度の「絵本を届ける運動」の申込はこちらからご覧ください。

◆ワークショップについてのお問合せはこちらより、ぜひお待ちしております。

 

シャンティ国際ボランティア会 「絵本を届ける運動」担当


<写真の絵本>
『とどくかな』 作:三浦太郎 偕成社
『あつい あつい』 作:垂石 眞子 福音館書店
『てぶくろ』 ウクライナ民話 訳:うちだりさこ 画:エウゲーニー・M・ラチョフ 福音館書店
『おおきくなったら、なんになる?』 著:刀根里衣 NHK出版
『ワンガリの平和の木』 作:ジャネット・ウィンター 訳:福本友美子 BL出版
『ルラルさんのだいくしごと』 作:いとう ひろし ポプラ社