【COVID-19】カンボジア 小学校の休校により学びの機会が不足する子どもたちへ電子版の絵本および読み聞かせ動画をオンライン公開
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(会長 若林恭英/東京都新宿区)は、2020年7月より、カンボジアにおける緊急人道支援事業として、休校によって学びの機会が不足する子どもたちのために電子図書館を開設しました。本事業により、カンボジア国内の子どもたちはシャンティがこれまで出版した絵本、そして読み聞かせ動画を自由に見ることができます。都市部と農村部に格差があり通信可能な範囲や速度に違いは見られるものの、カンボジア全土のインターネット普及率は約80%、携帯電話の普及率は100%を超えており、子どもたちは保護者などからスマートフォンを借りて電子図書館にアクセスできる状態です。
休校中の小学校の様子
カンボジア国内の状況
カンボジアでは2020年6月30日現在、新型コロナウイルス(COVID-19)感染者が141名確認されています。他国に比較し感染者数は少ないものの、感染拡大防止のため、3月16日以降、国内13,000全ての教育施設が閉鎖されており、未だ再開時期は公表されていません。教育省主導のもと、テレビやインターネットを通じて遠隔教育プログラムが実施されていますが、子どもたちの生活、家庭環境の違いによる学習の遅延や格差の拡大が懸念されています。
おはなしの電子図書館
本事業では、新型コロナウイルス感染症拡大による臨時休校を受けて、子どもやその保護者を主な対象に、電子書籍化したクメール語絵本(シャンティ出版)、紙芝居、パネルシアターなどの読み聞かせ動画の配信を行います。シャンティの電子図書館を通じて、学校や図書館に行くことができない間でも、子どもたちが家族と一緒に物語の世界に触れ、想像力や自ら考える力を育んだり、言葉や文字に関心を持ったりすることが期待されます。また、多くの人々に気軽にアクセスしてもらえるよう、デザインに配慮した電子図書館を開設します。
電子図書館:Shanti Volunteer – Shanti Volunteer Association Cambodia
読み聞かせ動画:SVA Cambodia Official – YouTube
カンボジアにおける図書館活動
シャンティ・カンボジア事務所では30年近くにわたり、学校、村、スラム地域を回る移動図書館、図書館員の養成、図書館の建設や常設図書館の運営を行ってきました。近年では図書館併設型のコミュニティ学習センター、公立幼稚園における幼児向け図書室の設立も行っています。また、クメール人作家・イラストレーターと協力し、2020年までに122タイトルの絵本、44タイトルの紙芝居の出版を行いました。2011年には教育省と他の読書推進活動を行うNGO(2団体)とともに「小学校図書館スタンダード」という公式ガイドブックを作成し、全国の小学校に配布しています。また、2015年に教育省が公開した読書推進のガイドラインにおいても、シャンティがこれまで実施してきた絵本や紙芝居を使った読み聞かせについての手法やアイデアが反映されました。
カンボジア指定募金(新型コロナ)受付中
郵便振替:00150-9-61724
加入者名:公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
*払込取扱票の通信欄に「カンボジア緊急支援(新型コロナ)」と明記して下さい
*備考欄に「免」と明記して下さい(窓口で手続きした場合、払込手数料が免除されます)