2016.10.27

30年ぶりの祖国へ。タイ国境ミャンマー(ビルマ)難民 帰還開始

当会は、2000年からタイ国内にある7ヶ所のミャンマー(ビルマ)難民キャンプで
図書館活動、絵本出版などの教育・文化支援の活動を実施しています。

タイ国境のミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

1949年よりミャンマー(ビルマ)国内の少数民族の反政府勢力とミャンマー(ビルマ)軍事政権とによる対立が始まり、1975年以降、戦闘や人権侵害を逃れて人々がタイ側へ流出。現在、タイ政府に正式に認められたミャンマー(ビルマ)難民キャンプ(総面積53,767.6km2)が9カ所あり、103,762人が暮らしています。(The Border Consortiumより)
1984年に正式に難民キャンプが設立されてから32年が経ち、アジア地域で長期化している難民問題です。

難民キャンプ地図

難民キャンプの様子
難民キャンプの様子(写真:川畑嘉文)

難民の帰還

2016年10月25日にタムヒン難民キャンプから6名、26日にヌポ難民キャンプから65名合計71名が、国境を越えてミャンマーへ帰還しました。近年、難民自身の判断による自発的な帰還は進んできましたが、今回の帰還に当たっては、タイ政府、ミャンマー政府、国連高等弁務官事務所(UNHCR)の連携により実施されました。両政府の合意の下での帰還は初めてのケースとなります。

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このバスに乗って、国境を越えます。

シャンティ国際ボランティア会の活動

■図書館の運営
7ヵ所の難民キャンプで21館のコミュニティ図書館を運営しています。図書館の中では、おはなし会をはじめ、図書の貸出や子どもの日・母の日などのイベントが行われています。

■絵本出版
カレン語とビルマ語の2言語で絵本の出版をしています。難民キャンプの中で絵本コンテストを行い、住民が応募した中から選ばれた作品の出版も行っています。

■伝統文化事業
難民キャンプ委員会、各少数民族グループとの連携により、「難民子ども文化祭」を開催しています。各難民キャンプで暮らす6~12の民族の子どもたちが参加。普段同じ難民キャンプで暮らしていてもめったに会うことのない、さまざまな民族的背景を有する子どもたちが、交流レクリエーションゲームや伝統文化の披露を通して交流を深めることを目的としています。
図書館での読み聞かせ(『おおきなかぶ』福音館書店
図書館での読み聞かせ(『おおきなかぶ』福音館書店(写真:川畑嘉文)

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