【追悼メッセージ】詩人 谷川 俊太郎さん
詩人で絵本作家の谷川俊太郎さんが11月13日、92歳でご逝去されました。
『もこ もこもこ』(文研出版)『へいわとせんそう』(ブロンズ新社)『フレデリック』(好学社)など、翻訳者としても作者としても多数の人気作品を生み出してこられました。
シャンティでは「絵本を届ける運動」を通して、谷川俊太郎さんの絵本『わたし』『あな』『きもち』(3冊ともに福音館書店)『スイミー』『じぶんだけのいろ』『アレクサンダとぜんまいねずみ』(3冊ともに好学社)の6タイトルあわせて6,817冊をクメール語、ラオス語、カレン語、ビルマ語の4言語に翻訳し、タイ国境の難民キャンプ、カンボジア、ラオスに届けてきました。心に深く届くことばの絵本は、国や文化を超えてどの活動地でも長年親しまれています。
子どもたちからのメッセージです
タイ国境難民キャンプ
僕には兄妹は6人います。学校の勉強で好きな教科は英語です。それは英語が国際語だからです。お気に入りの絵本は『きもち』(福音館書店)です。人の気持ちを大切にすることについてのお話です。将来は地域のために働きたいです。 (13歳、中学生)
ラオス
私は、『わたし』(福音館書店)という本を読むのが好きです。なぜかというと、この本を読み終えると、いろいろなことがわかるからです。(8歳、小学生)
シャンティの活動地では、貧困や紛争によって十分に学ぶことができない子どもたちが多くいます。どのような環境でも子どもたちが学び続けられるよう、シャンティは「本の力を、生きる力に。」を想いの軸に、安心できる場所をつくり、人を育て、学びと出会うための活動を続けています。これまでに、「絵本を届ける運動」により、日本から40万冊以上の絵本が海をわたり、子どもたちの手に届きました。
絵本は、子どもたちの想像力や好奇心を育てます。自分で考え、未来を切り拓くための「生きる力」になります。
谷川俊太郎さんがのこしてくださった絵本は、これからも活動地の子どもたちの「生きる力」を育んでいくことと思います。
シャンティ職員一同、感謝と共に、心よりご冥福をお祈りいたします。
サムネイル写真の絵本
『あな』さく:谷川 俊太郎、え:和田 誠、出版社:福音館書店