2020.12.08
読み物

【寄稿】公益法人の監事の役割(野中 茂)

ニュースレター
人びとの声
連載企画

年4回発行しているニュースレター「シャンティ」に寄稿いただいたシャンティと深く関わりのある方からの記事をご紹介します。

シャンティ国際ボランティア会 監事
野中 茂 野中公認会計士事務所 所長

海外放浪時代からシャンティの監事になるまで

学生時代、ソビエト連邦を経てヨーロッパを放浪。卒業後、米国系監査法人の税務部門で、関与先の税務申告の為、アジアやアフリカを訪問。プライベートも含め今日までに訪れた国・地域は36に及びます。
中でも一番悲惨な国がカンボジアでした。支援の一助と思い、とある奉仕団体に入会。団体が定めた「識字率向上月間」の卓話講師を探していたところ、カンボジアで人身売買撲滅に取り組む「かものはしプロジェクト」の村田共同代表からシャンティをご紹介頂きました。卓話にお越し頂いたのが市川常務理事でした。村田さんとの雰囲気の違いに若干戸惑いつつも、会場は(感動で)シーンと水を打ったようになったのを今でも覚えています。その時、シャンティが監事を探しているとお聞きし、バーター取引のような形でお引き受けしました。

以来、本部はもとより、海外事業所にも赴き、監事監査を実施。その度にシャンティの役職員の皆さんが、公益法人としてのミッション(使命)・パッション(情熱)・ドリーム(夢)(ミパド)をもって活動されている姿に胸を打たれました。

2016年6月 ミャンマー(ビルマ)難民キャンプで撮影
2016年6月 ミャンマー(ビルマ)難民キャンプで撮影

公益社団法人における監事とは

当会は、2011年に内閣総理大臣の認可を受け、公益社団法人に生まれ変わりました。それにともない、法人・個人ともに一定の寄付に対して所得控除や税額控除といった税制上の恩典も付与され、しっかりとしたガバナンス(自己統治)やコンプライアンス(順法性)が今まで以上に求められるようになりました。
監事の権限と責任も強化され、主な役割は、次のようなものとされています。「監事は、理事の職務の執行を監査し、計算書類及び事業報告等を監査する。その為、理事会等への出席義務を果たして法人の業務運営状況を把握し、法令・定款に違反する決議や著しく不当な決議等が行われるのを監視する職責を負う。」
国等をはじめ様々な支援団体や個人の方々から頂く資金は「公金」であり、適切な内部統制のもとで運用されるべきものです。微力ですが、今後ともコンプライアンスを順守した法人運営の一助となるべく、努力して参りたいと思います。

本寄稿記事とニュースレターについて

本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.298 (2019年冬号)」に掲載した巻末言「道」の内容を元に再編集したものです。※ニュースレター「シャンティ」は年4回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。

シャンティは、子どもたちへ学びの場を届け、必要としている人たちへ教育文化支援を届けています。引き続き、必要な人へ必要な支援を届けられるよう、月々1,000円から継続的に寄付してくださる「アジアの図書館サポーター」を募集しています。