2020.03.15
読み物
ミャンマー(ビルマ)難民キャンプのことをもっとよく知るための6作品
長年にわたるミャンマーの軍事政権と少数民族との抗争の結果、難民キャンプが設立された1984年以降、ミャンマー国内からタイに逃れた難民は14万人を超えると言われます。タイ政府とミャンマー政府との間に難民帰還の合意がなされ、ミャンマー本国への帰還も徐々に進んでいます。しかし、難民キャンプから本国へ帰還したとしても、安定した生活を送れるとは限りません。さまざまな不安の中、難民キャンプの人々は前向きに人生を送ろうとしています。現在の難民キャンプが生まれる要因となったミャンマー国内の少数民族問題に加え、難民キャンプでの生活やそこで生きる人々を少しでも身近に感じることのできる作品をご紹介します。
1『希望への扉 リロダ』
- ミャンマーの故郷を追われた少女・マナポがたどりついたタイの難民キャンプ。なに不自由ない暮らしだが、何か足りない。マナポは図書館員になり、民族の誇りと希望を取り戻してゆく。著者は2000年から三年間、難民キャンプでの図書館員養成に携わった。
2『ミャンマー難民キャンプ潜入記』
- ミャンマーの複雑な実情を、難民キャンプを通して理解しようと思い立ったジャーナリストの著者が、ミャンマー難民キャンプの日常の風景を、事細かに描写する。読んでいるだけで、まるでミャンマー難民キャンプの中にいるような気持ちになれる一冊。難民として逃れたミャンマーの少数民族の人々の、祖国に対する思いを感じることも出来る。
3『だれも知らない子供たち』
- ミャンマー難民キャンプに住む子どもたちは日常をどのように見ているのか?ミャンマー難民キャンプの様子を写した写真や子どもたちの描いた絵が所蔵されている写真絵本を読みながら、新鮮な気持ちで難民キャンプの実情を考えてみるのも良いかもしれない。
4 映画『ビルマ、パゴダの影で』
- 軍事政権下のミャンマーにおける少数民族に対する迫害の実態を描いたドキュメンタリー映画。軍の弾圧を逃れるためにジャングルを移動しながら暮らす少数民族や、20年以上を難民キャンプで暮らす人々の生活を写しとる。難民キャンプが存在する理由ともなっているミャンマーにおける長きにわたる少数民族の問題や、ミャンマーの民主化に対する人々の想いを知る事が出来る。
5『ビルマの少数民族』
- イギリスの専門家による、ミャンマー(ビルマ)の民族紛争と人権侵害の歴史と実態。少数民族に対して何が行われてきたか、平和のために何をなすべきかを深く考えたい方に。
6『物語 ビルマの歴史 – 王朝時代から現代まで』
- 著者はビルマ近現代史の専門家。王朝時代に始まり、イギリス植民地時代や日本軍による占領期、軍政期、そして2011年の民政移管後までの国の変遷について、丁寧かつ網羅的に記述されている。歴史の流れを汲むことで、現代の国家情勢がより深く理解できる。後半部分にはミャンマーにおける民族問題の歴史についての言及もある。
現在も続くミャンマーの少数民族問題、難民問題の過去と今を知ることが出来ると思います。本を読みながら、映画を見ながら、ミャンマーと少数民族の人々の未来を考えてみるのも良いかもしれません。
【選書・書籍紹介】シャンティ国際ボランティア会 広報担当インターン
もっとよく知るシリーズ
・カンボジアをもっとよく知るための9冊
・ラオスをもっとよく知るための7冊
・アフガニスタンをもっとよく知るための7つの映像と書籍
・ミャンマーをもっとよく知るための6冊
・ミャンマー(ビルマ)難民キャンプのことをもっとよく知るための6作品
・ネパールをもっとよく知るための7つの書籍・映画
・タイをもっとよく知るための6冊