e-Taxでの確定申告時「寄付の種類」の選び方|都道府県・市区町村が条例で指定した寄付金
いつもシャンティの活動へのご理解とご支援、まことにありがとうございます。
総務人事課の召田です。
毎年1月から2月にかけて「支払い調書」や「寄附金受領証明書」などがご自宅に届く方も多いのではないでしょうか。会社勤めのサラリーマンの方にはあまり馴染みがないものかもしれませんが、これらの書類は「確定申告」をして控除を申請するとき必要になる重要な書類です。
最近は「ふるさと納税」を活用して、確定申告をされる方も増えていると思いますが、公益法人や認定NPO法人などへの寄付を確定申告すると、一定金額を差し引いて税の負担を軽減させる「控除」を受けることができます。
寄付をすれば税金から控除されるならどんどん確定申告をしよう!となるところですが、確定申告に関するページは難しい専門用語が多かったり、オンライン申請するためにはマイナンバーカードやe-Taxの操作・入力が必要だったり、敷居がイメージがあるのも確かです。私もNPO/NGOへ寄付した年はもちろん、保険料控除や医療費控除を申請するためほぼ毎年のように確定申告をしていますが、年に一度しか行わないため「ここの項目、何を入力すればいいんだろう」とか「どれを選べばよいか思い出せない」と悩む部分が多く、いまだに申請手続きは慣れません。
今回は、私個人がいつもe-Taxで寄付金控除を申請するときにつまづくポイントについて、ご紹介させていただきます。
寄付金控除を受けるために必要な「寄付金受領証明書」
各団体へ寄付した金額を確定申告するには、各団体から発行される「寄付金受領証明書」または「寄付領収証」が必要です。
先日、シャンティも「年間領収証」を郵送でお送りさせていただきました。
「年間領収証」は、毎月一定額をご寄付いただいている「アジアの図書館サポーター」(他の団体で「マンスリーサポーター」と呼ばれている仕組み)の方々へ、1年間(1月~12月)分の寄付額をまとめた領収証のことです。例年シャンティは「年間領収証」が1月下旬にお手元へ届くよう発送しています。また、年に1回、都度ご寄付いただいた場合はその金額分の領収証をその都度お送りしています。
シャンティからお届けしている寄付の領収証は、確定申告で寄附金控除をするときに必要な「寄附金受領証明書」になります。
ちなみに、e-Taxを利用して確定申告する場合、寄付金受領証明書や源泉徴収票、医療費領収書などの「第三者作成書類」の添付は省略することができます。ただし、書類そのものが不要になるわけではなく、5年間の保存が義務付けられているので、大切に保管してください。
確定申告の時期
確定申告は、前の年の1月から12月までの分を申告します。2024年提出分の確定申告期間は、例年通りであれば2024年2月16日(金)から3月15日(金)になります。
e-Taxから申告する場合は、1月から書類の作成が可能です。申告に必要な各種書類は1月下旬ごろまでに届くことが多いため、必要な書類を一つ一つ確認しながら、事前にPCやスマホの準備をしておくことをオススメします。
e-Taxを利用し、確定申告書類を作成する場合、マイナンバーカードやPC・スマホなどの準備が必要になります。以前、私は税務署へ行き書類作成と提出をしたこともありますが、一度オンライン申請の手軽さを知ってしまってからはもっぱらe-Taxを利用しています。
最近はマイナポータルとの連携や、控除証明書の電子データ(XMLファイル)が使えるようになったり、毎年新しい要素が増えて便利になっている反面、準備することやシステムが複雑になり、分かりにくさが増しているように感じます。
つまづきやすいポイント「寄付金の種類」
シャンティなどの公益社団法人や認定NPO法人へ寄付をe-Taxで確定申告する場合、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」の入力画面で「寄付金の種類:都道府県、市区町村に認められているか」を選択する必要があります。
「申告書の作成」から「所得税」、「寄付金控除」の順にクリックしていくと、以下のような画面が表示されます。
「ふるさと納税」をした人は「都道府県、市区町村に対する寄付金(ふるさと納税など)」、
「認定NPO法人」に寄付した人は「認定NPO法人等に対する寄付金」、
「公益社団法人」へ寄付された方は「公益社団法人又は公益財団法人等に対する寄付金」を選びます。
寄付した団体の種類を選ぶと、以下のような「寄付金の種類」で4つの選択肢からどれか1つ選ぶ必要があります。
〇住所地の都道府県及び市区町村の両方が条例により指定した寄附金
〇住所地の都道府県のみが条例により指定した寄附金
〇住所地の市区町村のみが条例により指定した寄附金
〇住所地の都道府県及び市区町村の両方で条例により指定されていない寄附金、又は不明な場合
さぁ、どれを選べばよいのでしょうか、、、これが“つまづくポイント”です。
公益法人や認定NPO法人などはその所在地の都道府県、または市区町村に寄付控除の対象団体として認められていますが、団体がどこから指定・認められているかを選択する設問です。個人的な印象ですが、団体から届く領収証やその同封物、団体のウェブサイトなどには、都道府県と市区町村、またはどちらかだけ認められているかといった情報はあまり記載されていないように感じます。
毎年寄付している団体なら、前年の確定申告内容を確認すればよいのですが、確定申告は年に一度しか行わないので、以前の資料がどこに保存・保管されているか思い出せないこともあり・・・。
「都道府県、市区町村に認められているか」の調べ方
「寄付の種類」を正しく選択するためには、その団体(法人)が都道府県や市区町村に寄付控除の対象として認められているかを確認する必要があります。
寄付控除の対象かを調べる方法は「都道府県名(または 市区町村名) 寄付金控除」で検索することです。
都道府県・市区町村がどの団体・法人を条例指定寄付先としているかは、インターネット上で公表されています。
例)東京都の場合
「東京都 寄付金控除」と検索すると「東京都の条例指定寄附金一覧(令和4年 12 月末時点)」というPDFが見つかります。
PDFを開くと法人の種類別にさらにPDFが表示され、ファイルの中から寄付をした団体を探せます。
例)神奈川県の場合
「神奈川県 寄付金控除」と検索すると「県が条例で指定する個人県民税の寄附金税額控除の対象となる寄附先の一覧表 – 神奈川県ホームページ」というページが見つかります。さらにページから「県が条例で指定する個人県民税の寄附金税額控除の対象となる寄附先の一覧表(PDF)」を開いて、団体を探してください。
(上記は2024年1月時点の検索結果です)
このように都道府県のページやファイルに団体が掲載されていれば、都道府県に認められた指定寄付先だと言えます。
他の都道府県の場合や市区町村も同様に検索すれば控除対象の団体・法人が分かるページやファイルを見つかるはずです。
※国税庁の「確定申告書等作成コーナー」の「ヘルプ」にも検索して調べる方法が説明されていますが、このページがあることに気が付きにくいんですよね。
あと「~掲載されていることがあります」、「~掲載のない場合もあります」と、あるともないとも断定されておらず、曖昧な印象を感じです。掲載の有無や掲載方法は都道府県・市区町村によってマチマチで、控除対象の団体・法人も更新される可能性があるため仕方ない側面もあるのですが。。。寄付先の団体が都道府県・市区町村に認められているかがすぐに分かる仕組みやツールがあると便利なんですけどね~。
シャンティの場合は、公益法人として東京都に認められています。ですが、新宿区には認められていません。
そのため、シャンティへの寄付をe-Taxで確定申告する場合は「(2)住所地の都道府県のみが条例により指定した寄付金」を選択してください。
※ちなみに新宿区が定めている団体は、新宿区社会福祉協議会と新宿区社会福祉事業団の二団体しかないようです(2024年1月時点)。結構少ないですね。
e-Taxで確定申告するメリット
どうやら、都道府県と市区町村の両方か、どちらかのみが認めているかによって、控除の計算方法が異なるそうです。そんな複雑な計算をe-Taxはやってくれるので、うまく活用したいですね。
シャンティのような公益法人や認定NPO法人への寄付、または「ふるさと納税」などをすることで税金から控除されることは認知されていますが、控除を受けるためには自分で正しく申告する必要があります。
せっかく寄付をして控除が受けられるのに、申請するのに苦手意識があったり、途中でつまいづいてしまって確定申告をしないのはもったいないですよね。
この記事が寄付を確定申告されるみなさまのお役に立てれば幸いです。