絵本を読むきっかけをつくる「ペープサート」カンボジア
子どもたちを読書へいざなうためのおはなし動画を制作しているカンボジア事務所。動画で使用する「ペープサート」製作のウラ側をのぞいてみました。
オモテ舞台
私たちは、子どもたちに絵本に興味を持ってもらうきっかけとして、ペープサート(紙人形劇)を利用しています。現在はシャンティ職員が子どもたちの前でおはなしを披露するのではなく、幼児教育の質の改善事業など、教員や図書館員向けにおはなし研修を行う活動が中心となっています。その中で、ペープサートやエプロンシアター、パネルシアターなどの小道具の作り方などを教えています。動画の撮影時は、子どもたちの前で直接おはなしを披露するわけではなく、子どもたちの反応を見られなかったので少し緊張しましたが、動画が公開されて、視聴者の反応を聞くのを楽しみにしています。
舞台のウラ側
1.おはなしを決める
これまでカンボジア事務所で出版した絵本の中からおはなしを選びました。
2.登場人物をつくる
作り方はシンプルで、厚紙や段ボールなどにイラストを貼り付けてカットし、裏面に割りばしなどを固定します。
オリジナルで絵を描くときもありますが、今回は一部をのぞき絵本のイラストをコピーしてそのまま利用しました。(注:著作権はシャンティが保持しています)
3.「ペープサート」の舞台をつくる
段ボールと発泡スチロールで主人公のお家とお庭の舞台も準備しました。
制作秘話「ストーリー選びは特に重要!」
ストーリーはいくつかのポイントに気をつけて選んでいます。1つ目は「登場人物が少ないこと」。演じやすく、子どもたちが分かりやすいことが重要です。2つ目は「登場人物に動きがあること」。制作した「かくれんぼして遊びたい大きなペーンの実」は、主人公の女の子がペーンの実を探して四方へ動き回るおはなしで、ペープサート向きです。3つ目はおはなしをイメージしやすいように「20ページ以内であること」。そして最後に、見やすさを意識し、実際に「ペーンの実のサイズ」を大きくしました。
「ものづくりの舞台ウラ」から
本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.307 (2020年秋号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。
・ラオスの子ども子どもたちの学びを支える「複式学級運営の手引き」ラオス
・演者と観客が一体となって楽しめる「人形劇」ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ
※ニュースレター「シャンティ」は年4回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。
シャンティは、子どもたちへ学びの場を届け、必要としている人たちへ教育文化支援を届けています。引き続き、必要な人へ必要な支援を届けられるよう、月々1,000円から継続的に寄付してくださる「アジアの図書館サポーター」を募集しています。