2022.11.30

11月30日は「絵本の日」どんな絵本が好きでしたか?

絵本
絵本のチカラ
絵本を届ける運動

今日で11月も最終日。いよいよ2022年も残り1カ月と、1年が過ぎる早さに驚くばかりですが、そんな今日11月30日は「絵本の日」です。

「絵本の日」は1986年11月30日に、作家・評論家・翻訳家として著名な瀬田貞二さんが著した『絵本論』(福音館書店)が発行されたことにちなんで、福岡市の民間図書館「絵本と図鑑の親子ライブラリー」が制定、2012年に日本記念日協会によって認定されました。

世界には絵本を知らない子どもたちも

子どものころに身近だった絵本というと、皆さんどんな絵本を思い出しますか?

主人公といっしょにどきどきした「はじめてのおつかい」、大胆な色使いが楽しい「はらぺこあおむし」、クリスマスが近づくと読みたくなる「さむがりやのサンタ」…。物語だからこそ味わえる冒険のわくわくドキドキや、実際にはまだ見たことのない動物との出会い、自分が好きなものなど、絵本はさまざまな気持ちや発見を与えてくれる存在だったのではないでしょうか。

しかし、世界に目を向けると、戦争や貧困、災害といった困難な状況にあることから、そもそも本に触れたことも、自分が話している文字を見たこともない子どもたちがいます。

1999年から子どもたちへ絵本を届ける

シャンティはそんな厳しい環境で暮らす子どもたちにも、知らない世界を知るドキドキ、時間を忘れて夢中になる楽しさ、たくさんの物語や言葉を知る喜びに出会ってほしいと願い、1999年から絵本が不足している地域に日本から絵本を届けています。

2021年末時点で、多くの皆さんの協力を得ながら、シャンティが活動地へ届けた絵本の数はのべ362,717冊になりました。活動開始当初に届けた本のなかには、子どもたちの手のあとがたくさんついていて、読み込まれている様子がわかるものも多くあります。

届ける絵本は活動地からのリクエストをもとに厳選

シャンティが活動を行う国や地域では、実施している活動内容や子どもたちの年齢、文化的背景などに応じて必要な絵本が異なります。

毎年届ける絵本は海外事務所から届くテーマやジャンルのリクエストに基づき、児童書の書店員、図書館員、出版社からおすすめの絵本を教えてもらいます。その後、候補タイトルを活動地に送り、最後は子どもたちと日ごろ接する現地職員が選びます。

ちなみに、右開きの絵本は活動地では馴染みがないので、左開きの絵本から選ぶことがほとんどです。

実際のリクエストと届けた絵本

たとえば、2021年度の「絵本を届ける運動」に向けては、活動地からこんなリクエストが届いていました。

• 色や形、数字などを学ぶことができる絵本
• 平和について考えることができる絵本
• 動物に関する絵本
• 恐竜や宇宙について学ぶことができる絵本

そこで、さまざまな検討を進め、このような絵本を新たに届けました。これらはほんの1部で、2021年度は全部で50タイトルにのぼっています。


『かぞえてみよう』さく・さかざきちはる、白泉社
『へいわって どんなこと?』 作 浜田桂子、童心社
『どうやってねるのかな』 やぶうち まさゆき 作、福音館書店
『とりになった きょうりゅうのはなし 改訂版』 (大島英太郎 さく、福音館書店)

絵本を通して子どもたちは、厳しい環境に立ち向かうための生きる力を身につけ、未来を切り拓く力を育むと信じて、シャンティは活動を続けています。皆さんも11月30日「絵本の日」に、むかし好きだった絵本を手に取ったり、子どもたちと読んでみたり、改めて絵本がもつ力を感じる日にしてみませんか?

▼シャンティが1999年から取り組む「絵本を届ける運動」について
ページはこちらから

▼2021年度「絵本を届ける運動」報告書
報告書はこちらから

▼Books For All~本がひらく未来~
BooksForAllはこちらから


Photo by YoshifumiKawabata