帰る場所
ハラゲー!
ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ事業事務所インターンの浅木です。
先週は1週間、私用で日本へ一時帰国しておりました!
日本に到着したときにも、メーソットに到着したときにも、「帰ってきたなー!」と不思議な感覚になり、改めて「ここ(メーソット)に住んでるんだなぁ」と実感しました。
そして、日本の流行についていけない私は浦島太郎気分で、メーソットに帰れば帰ったで、新しくオープンしているお店やなくなっているお店を2・3件目撃し、ここでも浦島太郎でした。
現在、難民キャンプでは、図書館運営の向上を目指す四半期会議や図書館員を対象にした研修会が行われています。四半期会議では、多くのキャンプで「帰還したところにも図書館が欲しい。」「図書館を持って帰りたい。」といった声を多く聞きました。
(四半期会議の様子 上・タムヒン難民キャンプ 下・ウンピアム難民キャンプ)
確かに、帰還地での教育が担保されているかどうかは、彼らの不安の1つです。身近に図書館があることで、彼らの学習の機会が増えるかもしれない。そのように感じていました。
(難民キャンプの住人に対し帰還候補地の説明を行うカレン民主同盟のメンバー ウンピアム難民キャンプ)
近年では帰還の話が活発的に行われており、すでにいくつかの難民キャンプでは帰還希望者のリストが作成されています。「自国への帰還」というと前向きに捉えられるかと思いますが、きっとそれだけではありません。日本から帰ってきて思ったことは、彼らはきっと「浦島太郎」になってしまう、ということ。
昔のミャンマー(ビルマ)での暮らしを知る人は、近年のキャンプの暮らしと比較して「昔の暮らしは良かった」と語ります。すべてが経済的な理由からではありません。避難せざるを得ない状況下で、難民キャンプに入ることで家族や知人との繋がりが途絶えた人も多くいます。
昔住んでいたところに戻ることのできる人たちは、知り合いがおらず、以前の故郷とは変わってしまった場所に「帰ってきた」と思えるのでしょうか。
新しいところに移り住む人たちや、キャンプで生まれた人たちはもちろん「帰ってきた」と親しみを感じることは難しいでしょう。
帰還をめぐって安全性や住居、医療、教育といった具体的な問題も挙げられていますが、彼らが帰還先に図書館を望む理由は、「図書を通じた教育の機会」を確保するだけではないと思いました。
人間は繋がりの中で生きています。もし図書館が、帰還に向かう彼らと共に存続できるなら、心を許して「繋がりを持てる場所」として機能するのではないかなと感じました。