タムヒン難民キャンプ設立25周年記念イベント
ハラゲー!(カレン語で「こんにちは」)ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ事業事務所のウェンです。
6月20日は「世界難民の日」でした。タイ・ミャンマー国境にある難民キャンプでは、イベントが開催されました。難民キャンプに暮らしている人々が一堂に会する、大きなイベントです。このイベントは、新型コロナウイルスの感染拡大により、3年ぶりの開催となりました。今回は、シャンティが支援しているキャンプの一つ、タムヒンキャンプの難民の日のイベントについてご紹介します。BRC事務所のFacebookページでも、この世界難民の日のイベントについて紹介していますので、ぜひご覧ください。
ミャンマーでの紛争や迫害から逃れてきた人々がタイに到着した後、1997年にタムヒンキャンプは設立され、今年で25年が経ちました。タムヒンキャンプは、タイのスワンプン郡ラチャブリー県にあり、現在でも、約5,700人の人々が暮らしています。
タムヒンキャンプの新型コロナウイルス感染症の状況が落ち着き、シャンティを含むNGOのキャンプへのアクセス制限が解除され、ようやく通常の活動を実施することができるようになりました。そしてこの度、タイ内務省、キャンプリーダー、キャンプ委員会、人道支援団体、関係団体、キャンプを拠点とする組織の協力のもと、世界難民の日のイベントで、キャンプの設立25周年を祝うことができました。
このイベントは、住む場所を与えてくれたタイへの感謝、命を与え、これまでの生活を見守ってくれた神様への感謝、人道支援や生活に必要なサービスを提供してくれた団体やスタッフへの感謝をするために企画されました。また、生まれた時からキャンプに住んでいる若い世代に、自分たちの民族や出自を理解してもらうことも、このイベントの主旨です。
イベントは、 タイ内務省、キャンプの代表、UNHCR からのスピーチで始まり、カレン族の伝統的なダンス、歌、楽器などが披露されました。
(開会のあいさつ)
(テープカットの準備)
(カレン族の伝統の踊り)
(竹を使ったカレン族の伝統の踊り)
(カレン族の伝統楽器)
その後、キャンプスタッフ、タイ内務省、NGOスタッフによるバレーボール、サッカー、チンボール(日本のポートボールのようなスポーツ)、シャイボール(セパタクロー)などのスポーツ大会が行われました。また、夜には、ミスター&ミスタムヒンを決めるイベントや、ダンスや歌などのパフォーマンスも行われました。
タムヒンキャンプで新しくキャンプ委員会になった皆さんからお話を聴く機会がありました。実は彼らは、以前、シャンティのコミュニティ図書館で図書館青年ボランティア(TYV)をしていました。彼らは、「基本的なニーズや教育、ヘルスケア、その他多くのことをキャンプに住む私たちのために提供してくださっている皆さんに感謝しています。」と話しました。しかし、同時に、「タムヒンキャンプは25年続いており、今も多くの制限があり、夢やチャンスを得ることは難しい状況です。教育の機会を得て、様々なスキルを身に付けても、難民キャンプで収入を得ることは難しいのです。私たちは今、故郷に帰れる希望もなく、故郷を想像することも難しくなっています。今、私たちが一番望むのは、制限のない自由を夢見ることができるチャンスなのです。」とも言っていました。
ミャンマー本国で政変が起こった現在、難民キャンプで暮らしている人々の将来への不安はさらに大きくなっています。私たちに何ができるのか、キャンプに暮らす人々に寄り添いながら、一緒に考えていきたいと思います。
ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ事業事務所 ウェン