2011.04.28
読み物

少しずつ、一歩ずつ

ラオス

ラオスでは読書の重要性や教育分野における役割が認められ

教育省は数年前から全国の小学校に図書室を設置しようという

計画を進めています。

現地の自治体や民間支援団体等の協力により、小学校に図書室が

設置される数が徐々に増えています。

比較的早い時期に図書室が設置された小学校へ、図書館事業課の

スタッフと一緒に行ってみました。

民間支援団体の寄付を受けて図書室に入ってみると、

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なかなか、うまくはいっていないようです。

小学校の校長先生から、この図書室の担当は彼女です、と

紹介されたのは、見るからに新人の若い女性の先生。

『本、好きなんです。好きなんですけど...、あのぉ...』 

その後の言葉が、続かない。

薄暗い図書室で、しかめっ面の校長先生と隣で固まる先生。

 しぃ~ん

うわっ、この空気をなんとかしなけねば!と、孤軍奮闘、奮起一番!

私のありったけの、かつ、全てがおぼつかないラオス語で

『いやぁ~ あのですね、図書というものは、なんと言いますか...』と

身振り、手振り、全身を使って話し始めた時、隣から、

『あっ、向こうの校舎って、中はどうなんってんですか』なんて、先生に

向かって伺うような感じで立ち上がり、歩き出すスタッフ。

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木陰を、ぽつぽつ歩き始めて、ぽつぽつ話し始めている2人。

新人の先生と、ラオス事務所・ベテランスタッフのミンチェン。

2人を追いかけるタイミングを逃した私は、薄暗い図書室でしかめっ面の

校長先生と図書室について話そうと挑んだが、肝心の『図書室』の

ラオス語通じない。

語尾を上げたり下げたり、語頭を伸ばしたり縮めたり。手を変え品を変え...

ホーンサムット、 ホーンサームーット、 ホーンーサームーットー

小学校からの帰り道、新人の先生と歩きながら何を話していたか尋ねると、

『少しず、がいいと思います、一歩ずつで、いいと思いますよ、それに

頑張ると長続きしないから、出来る事からやればいいと思います、と。

まずは、先生が好きな本を、子どもたちにも教えてあげるのとか、

どうですか って、言った。  で、スズキサンたちは何を話してたの?』

『話せば長くなるから、やめとくよ』

中央省庁がすべきこと 新人の先生ができること SVAが取り組むこと

それぞれが手を取り合って、いつか、きっと、必ずと、願っています。

ラオス事務所 鈴木淳子