ファーストエイド(応急救護)の心得
ラオス事務所の伊藤です。
近年、車やバイクの数も増え、交通事故が飛躍的に増えているラオス。 一方で、医療事情は遅々として改善していきません。
片道800キロもの道のりを、事業地に向かうわが事務所の車両は、その道すがら 自ら多くの危険と隣り合わせであるばかりか、様々な場面に出くわします。
そんな時、ヴィエンチャン首都にでもいなければ、近くに病院もなく、呼べる救 急車もなく、自ら対応しなくてはいけないことも多々あります。
そして、このラオスでも、国際協力団体といえば、あらゆる意味で社会的な貢献 が期待される目で見られる存在。
こうした状況を受け、SVA全体としての危機管理対策として、基本的なファー ストエイドの知識を身につけることになり、先日、ラオス事務所でもスタッフ対 象にファーストエイド研修を行いました。
とはいえ専門家ではないので、上司としてはスタッフに精神的な無理は強いられ ませんが、知識をもっていることで対応できることもあるはずで、それが事後の メンタルヘルスを助けることにもつながります。
緊急的な状況に直面した際に、 職員がどうしても動揺してしまう状況でも、できる範囲のことができるように。
元救急隊員だったオーストラリア人のデービット氏によるトレーニング。
氏は、現在ラオス国内の多くの場所でファーストエイド・トレーニングを進めています。
あらゆる非常な状況について扱っているのに、わかりやすく、リラックスした内 容になっていて、さすがでした。
何よりも、まず初めに重要なことは、全体を見て判断を開始すること。
事業運営にでもなんにでも共通したことですが、意外と難しい。
一時救命措置(心肺蘇生法)については、集中しすぎて写真撮影を忘れ、、。
止血の包帯の巻き方が緩い!との注意。 それぞれが実際に体験してみて学ぶことは大きいです。
よくよくみると、プラスチック袋やその辺にあった布を使って、、、。
どんな状況でも、使えるものを工夫して対応することが、繰り返し伝えられまし た。
途上国であるラオスでのファーストエイドの知識は、日本にいる以上に重要性の 現実味を帯びていて、スタッフからも本当に真剣な質問が続きます。
ラオス事務所としていただいた研修受講証明書。
できれば、知識を使う状況は起こらない方が良いのは当然ですが、
仕事を超えた社会の中での立場を再認識し、今後もスタッフ全員で生活に、事業 に真摯に取り組んでいく意識も再確認したトレーニングでした。
今週末からのラオス正月ピーマイ・ラオ。通年、多くの交通事故が報告される期間です。
なるべく事故が起こりませんように。
ラオス事務所 伊藤解子