2013.04.12
読み物

ファーストエイド(応急救護)の心得

ラオス

ラオス事務所の伊藤です。

近年、車やバイクの数も増え、交通事故が飛躍的に増えているラオス。 一方で、医療事情は遅々として改善していきません。

片道800キロもの道のりを、事業地に向かうわが事務所の車両は、その道すがら 自ら多くの危険と隣り合わせであるばかりか、様々な場面に出くわします。

そんな時、ヴィエンチャン首都にでもいなければ、近くに病院もなく、呼べる救 急車もなく、自ら対応しなくてはいけないことも多々あります。

そして、このラオスでも、国際協力団体といえば、あらゆる意味で社会的な貢献 が期待される目で見られる存在。

こうした状況を受け、SVA全体としての危機管理対策として、基本的なファー ストエイドの知識を身につけることになり、先日、ラオス事務所でもスタッフ対 象にファーストエイド研修を行いました。

とはいえ専門家ではないので、上司としてはスタッフに精神的な無理は強いられ ませんが、知識をもっていることで対応できることもあるはずで、それが事後の メンタルヘルスを助けることにもつながります。

緊急的な状況に直面した際に、 職員がどうしても動揺してしまう状況でも、できる範囲のことができるように。

IMG_1693

元救急隊員だったオーストラリア人のデービット氏によるトレーニング。

氏は、現在ラオス国内の多くの場所でファーストエイド・トレーニングを進めています。

あらゆる非常な状況について扱っているのに、わかりやすく、リラックスした内 容になっていて、さすがでした。

何よりも、まず初めに重要なことは、全体を見て判断を開始すること。

事業運営にでもなんにでも共通したことですが、意外と難しい。

IMG_1700

一時救命措置(心肺蘇生法)については、集中しすぎて写真撮影を忘れ、、。

IMG_1694

止血の包帯の巻き方が緩い!との注意。 それぞれが実際に体験してみて学ぶことは大きいです。

IMG_1698 -

よくよくみると、プラスチック袋やその辺にあった布を使って、、、。

IMG_1698 - 2

どんな状況でも、使えるものを工夫して対応することが、繰り返し伝えられまし た。

途上国であるラオスでのファーストエイドの知識は、日本にいる以上に重要性の 現実味を帯びていて、スタッフからも本当に真剣な質問が続きます。

IMG_1705

ラオス事務所としていただいた研修受講証明書。

できれば、知識を使う状況は起こらない方が良いのは当然ですが、

仕事を超えた社会の中での立場を再認識し、今後もスタッフ全員で生活に、事業 に真摯に取り組んでいく意識も再確認したトレーニングでした。

今週末からのラオス正月ピーマイ・ラオ。通年、多くの交通事故が報告される期間です。

なるべく事故が起こりませんように。

ラオス事務所 伊藤解子