”あの人たち”の結婚観、そして研修を終えて
サバイディー!(ラオ語でこんにちは)
前回のラオス事務所からのブログに引き続き、今回も北山がお届けします!
私事ではありますが、最近友人の結婚報告が増えました。ほんの数年前まで机を並べていた友人の顔つきもかなり大人っぽくなり、幸せそうにしている姿を見ると心が温まります。
放課後の教室で恋愛話に花を咲かせていたあの頃はまだ幼く、それでも見えない将来を思い描くことが楽しくて仕方なかったです。同じ地元で育ち、同じ制服を着ていてもそれぞれ結婚観が異なり、それもさらに私たちの話を盛り上げました。そんなことを結婚の報告を受ける度に思い出すのです・・・。
少し前置きが長くなってしまいましたが、ラオスで生活をしているうちにラオス人の結婚観が気になりました。私はバックグラウンドが全く異なる人の文化や価値観を知ることが好きです。なので、思い切って事務所のラオス人スタッフ全員に聞いちゃいました。1人ずつ根掘り葉掘り聞いたのですが、今回は特に私が特にシェアしたい事をご紹介します。
まず、結婚願望について・・・これは全員一致で「必ずしたい」でした。結婚無しでは幸せになることは不可能!とのことです。そして、その「結婚」の先には「子ども」の存在が必ずありました。自分が両親の面倒を見て、自分も子どもから面倒を見られること、そうして世代を受け継ぐことがとても重要であるというのが一般的な考えみたいです。
そして、結婚相手に求める条件も聞いてみました。男性目線で多かった意見は「共働き」でした。ラオスでは共働きがほとんどのようです。日本では専業主婦になってくれる妻を探す男性も多いので、新鮮です。ちなみに事務所のスタッフにも可愛い1歳半の息子さんがいるスタッフがいて、彼女は家族や親戚に子育てを協力してもらいながら毎日働いています。子育ては両親だけでなく、親戚を含めた家族でする、とのことです。
女性目線で多かった意見は「家族のリーダーであること」でした。これは共感する日本人女性も少なくないのではないでしょうか。
そして男女共通して「自分の家族を大切にしてくれる」ことは必須みたいです。「自分を愛することはつまり自分の家族を愛することだから」と・・・。家族同士が結婚するようなイメージなのですね。
私はここで、日本の「婚活事情」について説明してみたのですが、総じて婚活に対してのイメージは良かったです。いわゆる「婚活パーティー」の話をすると、「効率的だし、そういった機会があったら自分も参加してみたい!」という声もありました!シャイな国民性と言われているラオスですが、結婚に対してはやはり積極的みたいです。
いつもフレンドリーなスタッフたちも、このインタビューをしたときはいつも以上にたくさん話を聞かせてくれました。少し踏み込んだ話題ではありますが、一人一人のスタッフをより深く知ることができました。
インタビューを終えて、結婚観はやはり人によって変わるので、一概に「ラオス人はこう!」「日本人はこう!」とは言えないとしみじみ感じました。それでも、多くのラオス人が世代を受け継ぐことにこだわるという話は新鮮でした。これほどに盛り上がるならもっと早い段階でスタッフと結婚観や恋愛観について話したかったなあ、なんて思いました。
こんな風にスタッフとコミュニケーションをとって、一緒に仕事をしているうちにあっという間に1ヶ月が経ち、私の研修プログラムは終わりを迎えました。
以前、大学で「対象地域の暮らしをなるべく壊さず発展の支援をすることが大切だ」と教授に言われたことがあります。そのとき頭で理解するのに時間はかかりませんでした。ですが、実際にこの1ヶ月の間に訪れた僻地の村を始め、ルアンパバーン、そしてラオスという国の良さを身を以て知った私は、同じ言葉を聞いてもまるで重みが違うように聞こえるのです。このコミュニティの暮らしを守りたい、この良さを失わないでほしい、そう感じる場所に出会えたからです。
以前ゲストハウスにラオス人の男性がいて、私に話しかけてくれました。彼は突然「君は日本をどういう国だと思っているの?」と私に聞きました。そして続けて彼は「自分はラオスが日本のようになることを願っている。日本は何でもあってパワーがあってできないことはないじゃないか。」と言いました。彼から見た日本のイメージはあながち間違ってはいないように思います。
でも私は彼にこう言いました。「私はあなたが日本を思うくらい、ラオスのおだやかさが羨ましい。かつて日本も持っていた風景に近いけれど、もう今の日本の多くの地域にそれはないの。もう取り戻すことも難しい。」と。
勝手ながらラオスには、日本がめまぐるしく成長を遂げた過程で「おだやかさ」置いてきてしまったようになってほしくないのです。彼ら自身で守るべきものを見つけて、それを大切にしてほしい。彼らが望む発展に助けが必要なら、それは私たち先進国の役割なのだと信じています。
これで私がNGO海外研修プログラム生としてブログを書くのは最後になります。伝えたいことがたくさんあって長くなってしまいました。好奇心に素直になってこのプログラムに応募して本当に良かったと思うと同時に、この経験を単なる経験だけでは終わらせたくありません。今後もっと深く考えて、幅広く伝えることが私の使命だと思っています。今後のラオスの未来がより輝きますように。
ここまで読んでいただきありがとうございました!