50の少数民族が共存する国 ラオス
2020年9月26日(土)にラオス事務所とつなぎオンライン・イベントを開催いたします。イベントに先立ちラオスの人たちの住む地域ごとによるユニークな分け方と人々の呼称を写真と一緒にご紹介いたします。
山の中腹で暮らすカム族の青年たちです
50の少数民族が共存する国 ラオス
ラオスの人口は約649万人(2015年:ラオス統計局)で、50の民族で構成されています。各民族の文化的特徴は異なりますが、住んでいる地域の高度によって、低地ラオ(ラオ・ルム)と山腹ラオ(ラオ・トゥン)、高地ラオ(ラオ・スーン)という分け方が国民の間で広まっています。近年、個々の民族のアイデンティティを尊重する方向に向かっており、正式な分け方ではありませんが、ラオスの民族構成を理解しやすいため、今回はこの3つのグループをご紹介します。
低地ラオ(ラオ・ルム)
人口の約6割を占め、メコン川沿いの開けた平地に住んでいます。14世紀に建国された「ランサン王国」の中心となった民族で、灌漑技術を持ち、水田での稲作を行っているのが特徴です。上座部仏教を信仰し、主食はもち米です。おかずによっては日本で一般的なうるち米も食べています。
代表的な民族:ラオ族など
托鉢僧にお布施をする人々の様子です
ラオ族の人々のお家の様子です
食事の様子。たっぷりのハーブと一緒にいただきます!
山腹ラオ(ラオ・トゥン)
ラオスの先住民族で、標高300~800mの山の中腹や丘陵地に多く住んでいます。焼畑を行い、狩猟や森の恵みを生かして暮らしてきた森の民です。32の民族が山腹ラオに分類され、民族によって異なりますが、自然崇拝が多く、高床住居で暮らしています。主食はもち米で、森で捕れた肉や野菜を炒め煮するなど少し濃い目の味付けが多いのが特徴です。
代表的な民族:カム族など
カム族の青年たちです。
ゆったり過ごせる高床式のお家の様子です。
森の恵みが食卓に並びます。
高地ラオ(ラオ・スーン)
中国の雲南省や四川省などから南下してきた民族で、高地や山頂近くに多く住んでいます。焼畑でうるち米やトウモロコシを栽培し、茹で鶏に塩と唐辛子をつけて野菜と食べたり、鶏の茹で汁をスープとして飲んだり、シンプルであっさりした料理が多いです。家の中では土足で、土間の家が多く、窓は小さいのが特徴です。
代表的な民族:モン族、アカ族、ミェン族など
モン族の子どもたち。お母さんの手刺繍が施された民族衣装を着ています。
モン族の人たちのお家の様子です。
鶏のスープや野菜炒めなどあっさりとした味付けは日本人にも人気です。
本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.296 (2018年夏号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。※ニュースレター「シャンティ」は年4回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。
9月26日(土)に、オンラインイベント「国際協力の現場から」を開催します。第3弾はラオス事務所とつなぎ新型コロナウイルスが与えた影響やラオスの子どもたちの教育の現状、シャンティの取り組みについてスタッフがお伝えします。イベント詳細は下記よりご覧ください。