2021.05.23

混乱が続くミャンマーから ~子どもたちの声~ Vol.2

ミャンマー

こんにちは、事業サポート課の松本です。
新型コロナウイルスや軍事クーデターの影響を受け、約1年にわたり小中学校が休校しているミャンマー。学校へ通えなくなった子どもたちがどのような生活を送り、どのように感じているのか、シリーズでお伝えしています。今年の3月に現地職員が子どもたちやその保護者、周囲の大人へインタビューを行い、そのインタビュー内容を複数回に分けてお届けします。

軍事クーデター後のマーケットの様子

友達に会いたい(チットフューウェイさん、11歳、女の子)

私の名前はチットフューウェイ(仮名)です。学校が休校になってからは、学校が再開した時に授業についていけるように英語や他の科目の復習をしています。時間があるので、本を読んだりYoutubeやSNSを見たり、ダンスを踊ってみたり、色んなことをしています。

でも、友達には会えないし、何をしてても楽しいと思うことは減りました。

家で過ごしている時に、時々ふと大きな恐怖に襲われます。外にいても家にいても、安全な場所はないんじゃないかと思うからです。そんな時は友達と過ごして沢山笑いたいけど、今はそれもできません。

早く学校に行けるようになったらいいのに、早く自由に外に出られるようになったらいいのに、早くいつもの生活に戻ればいいのに。

学校に行けない子ども、デモに参加する子どもが心配(キンウィンさん、57歳、女性)

私はキンウィン(仮名)といい、ミャンマー料理のモヒンガなどを販売して生計を立てています。いつもは朝ごはんにご飯を買いに来るお客さんで店がにぎわっていますが、今では誰も買いには来ません。
また、娘が公務員として働いていましたが、市民不服従運動(CDM)に参加したため給与は支払われず、私の収入も娘の収入も減って家計は苦しくなっています。
そこへ追い打ちをかけるように色々な物の値段が徐々に上がってきました。

家計も心配ですが、子どもたちの将来のことを一番懸念しています。私には大学3年生の息子もいるのですが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で昨年から大学が休校し現在も開校されていません※。せっかく大学に行けたのに卒業できるのか本当に不安です。

また、街中でデモに参加している幼い子どもたちや若者も心配です。彼らは拘束される危険が高く、拘束された後のことを考えると恐ろしくなります。

もうこれ以上、子どもたちや人々が犠牲になるところを見たくありません。一刻も早く平和なミャンマーが訪れることを願ってやみません。

※本インタビューは2021年3月に行いました。この後、大学は2021年5月5日に再開されましたが、多くの教員や学生がストライキを起こしています。

幼少期の思い出が、恐怖で埋めつくされてはいけない(アヤミョートゥーさん、32歳、女性)

アヤミョートゥー(仮名)といいます。市場で店を開いて生活しています。2月以降、店に来る人は少なくなりましたが、それでも毎日店を開けるようにしています。最近では品薄になる商品もちらほら出てきました。

私自身は店で稼いだお金もあり、苦しいながらもなんとか生活ができています。ですが、今回の情勢不安を受け、生活費さえままならない人も多くいます。ですので、私も寄付を始めるようになりました。

現在のミャンマーの状況について、私たちの心情は言葉では言い表せないほど失望と苦しさで溢れています。特に子どもたちがおかれている状況を考えると胸が痛みます。
本来、子どもたちは今この時間を自分の将来のことを想像したり、友達と遊んだりして幸せな時間を過ごすものではないでしょうか。幼少期の思い出が、拘束、親族や友人の死、恐怖に怯えたりすることで埋めつくされてはいけないと思います。

日本の皆さまもどうか、この状況からミャンマーを救うため手を貸してください。

ミャンマー事務所スタッフのメッセージ Vol.1

ミャンマー事務所スタッフのメッセージ Vol.2

子どもたちの声 Vol.1