ファインダーをのぞいて「紛争と教育」ミャンマー
「ファインダーをのぞいて」は、シャンティが教育文化支援を行うアジア各地の様子を、フォトジャーナリスト川畑嘉文さんが写真でご紹介するコーナーです。
今回はミャンマーの「紛争と教育」がテーマです。
紛争と教育
ミャンマー(ビルマ)難民の帰還先として開拓されたレイケイコー村の小学校を訪れると、教室が足りないらしく、低学年の児童たちは多目的ホールで授業を受けていました。その中に、中学生ぐらいの顔立ちをした少年が二人。歳は13だと言います。
1年生のクラス。二人はこの授業を受けていた。
国内避難民だったと話す二人はずっと前に小学校を退学してしまいました。理由を尋ねると「働くため」だと言います。目を合わせようとせず、どこか答えたくなさそう。無理強いすることもできず、インタビューを切り上げましたが、あとで校長先生が教えてくれました。
二人はカレンの武装勢力に所属する少年兵だったため学校に通うことができませんでした。停戦が訪れ、ようやく落ち着いて勉強する機会を得たのです。
家路につく子どもたち。
放課後、村のため池で遊ぶ少年。
撮影者 川畑嘉文(フォトジャーナリスト)
千葉県出身。ペンシルベニア州立大学卒業。専攻は国際政治。ニューヨークの雑誌社勤務時代に9.11を経験し、記者職を捨て写真の道に進むことを決意。会社を退職しタリバン政権崩壊後のアフガニスタンを訪れ取材を行った。2005年フリーランスのフォトジャーナリストとなり、世界中の難民キャンプや貧困地域、自然災害の被災地で貧困や難民問題、自然災害などをテーマに取材。
第39回JPS(日本写真協会)展金賞、第17回上野彦馬賞「九州産業大学賞」、DAYS国際フォトジャーナリズム大賞2017「パブリックプライズ」等、受賞歴多数。著書に『フォトジャーナリストが見た世界』(新評論)。
「ファインダーをのぞいて」
本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.307(2020年秋号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。
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