2022.10.27
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【世界の現場からAIR MAIL】Fromラオス事務所

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シャンティ国際ボランティア会は、アジア7カ国8地域に事務所をかまえ、教育文化支援活動を行っています。各国、各地の海外事務所から、現地の状況やシャンティの活動についてご紹介します。

今回は、ラオス事務所の現在をご紹介します。ラオス北部地域では、多くの小学校で「複式学級」が導入されていますが、授業を効果的に行うための教員の知識・技術が不足しています。その改善に向けて、指導法を記した教材づくりや教員研修を実施しています。

複式授業の指導法改善で、子どもたちへ質の高い教育を

山岳地域の多いラオスでは、村と村が離れており、小規模な学校が多く点在しています。特にへき地では、在籍する教員が数名しかいない学校がほとんどで、複数の学年を一緒に指導する「複式」スタイルの授業が主流です。しかし、複式学級での指導は難しく、多くの教員が困難を抱えています。
ラオス事務所では、2014年より複式学級の指導法改善を目的に、教育スポーツ省、県や郡の教育スポーツ局、北部教員養成校と協力し、現場の教員の声を取り入れながら、指導法改善のための研修実施やハンドブックの作成などの活動をしてきました。


複式学級の様子

Hot Topics

1.複式学級運営改善のための計画策定会議の開催

2022年1月、教員養成校3校に対して、複式学級指導に関する行動計画策定会議を実施。北部3校の教員養成校のみならず、全国の教員養成校にて効果的な複式学級運営を推進するための計画を2日間かけて策定しました。


複式学級運営改善のための計画策定会議

2.ルアンパバーン県教員養成校で、複式学級運営研修を実施

2022年2月、4日間にわたり、教員養成校において講師の複式学級運営の指導力向上のための研修を実施。模擬授業終了後には、参加者間でフィードバックを行うなど意見交換を行い、充実した研修となりました。


ルアンパバーン県教員養成校での複式学級運営研修

3.複式学級運営の手引きが教育スポーツ省により承認

2018年末から作成してきた「複式学級運営の手引き」が完成。公式な教材として2022年1月に教育スポーツ省からの承認を得ました。教員や視察員の意見を反映し、学校レベルに沿った実践的なハンドブックになるよう改訂を重ねてきました。


「複式学級運営の手引き」

変化を実感しながらも、国内の教育格差の改善を目指して

「複式学級運営改善事業」*に携わる中で、カウンターパートが知識や技能を習得したり、対象地の状況が改善されたり、多くの変化が見られています。このような変化を見られることをうれしく思うと同時に、子どもたちにより良い教育が届けられることを楽しみにしています。
*この事業は国際協力機構(JICA)の草の根技術協力で実施しています。

 


「世界の現場から AIR MAIL」

本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.315(2022年6月号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。
ニュースレター「シャンティ」は年2回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。

シャンティは、子どもたちへ学びの場を届け、必要としている人たちへ教育文化支援を届けています。引き続き、必要な人へ必要な支援を届けられるよう、月々1,000円から継続的に寄付してくださるアジアの図書館サポーター」を募集しています。

 


シャンティは、国際協力機構(JICA)の草の根技術協力事業として、2018年8月から4年間、ラオス北部地域で複式学級運営改善事業を実施しました。このたび、4年にわたる事業を終え、11月16日(水)に事業完了報告会をオンラインにて開催いたします。

報告会では、教材開発により副次的効果を含むどのような成果が現れたのか、教員の能力がどのように向上したのか、またコロナ禍において各活動をどのように工夫したのかなどについて、元シャンティ ラオス事務所所長の玉利よりご報告いたします。

皆さまのご参加をお待ちしております。

『ラオス北部地域の教員養成校指導教官の能⼒強化を通じた、複式学級運営改善事業』事業完了報告会
日  時:11月16日(水)10:00~12:00
開催方法:オンライン(Microsoft Teams)
参  加  費:無料

▼詳細・お申込みはこちら ※11/14(月)17:00〆切
https://sva.or.jp/event/laos221019/