2023.03.05
読み物

【世界の現場からAIR MAIL】Fromミャンマー事務所

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ミャンマー
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連載企画

シャンティ国際ボランティア会は、アジア7カ国8地域に事務所をかまえ、教育文化支援活動を行っています。各国、各地の海外事務所から、現地の状況やシャンティの活動についてご紹介します。

今回は、ミャンマー事務所の現在をご紹介します。軍事クーデターやコロナ禍が事業継続に大きな影響を及ぼす中、子どもたちの学びの機会を守るために活動するミャンマー事務所の今をお伝えします。

現地のニーズに沿った支援で、教育課題の改善に取り組む

現在、西バゴー地域にある寺院学校の校舎と図書館建設を支援しています。
この学校では生徒数の増加による校舎の不足や、教室ごとに仕切りがなく授業に集中できないといった問題があり、学校のニーズに合わせた建設支援を行っています。
また、教員養成学校の教員を対象に学校図書館研修を実施し、教員たちの図書館の知識を高めることにつながりました。参加者の研修内容への関心はとても高く、積極的に取り組んでいました。研修後は参加者に学校図書館マニュアルと指導者用マニュアルを配布し、さらに定期的なモニタリングと、継続的に活動を行ってもらうための指導も実施しました。

すべての子どもに安全な学習環境と読書の機会を届けたい

今後、子どもたちのために多くの活動ができるようになることを願っています。また、今年から教育カリキュラムが変更になりましたが、学校校舎や教室数など学習環境の整備は十分とはいえません。
私たちは、ミャンマー全土の子どもたちが安心して学べる場と読書の機会を提供することに今後も貢献していきたいと考えています。

Hot Topics

1.寺院学校の教育環境改善に向けた取り組み
西バゴー地域やカレン州などで、寺院学校の生徒への学習教材と教員への指導補助教材の配布事業を検討しています。新型コロナウイルスと軍事クーデターの影響で、寺院学校の多くが寄付金の減額や物価高騰、学校備品の値上がりなどに直面し、学校運営は非常に厳しくなっています。シャンティは学習教材の配布とともに、併設する孤児院への食料支援も検討しています。


学校での様子

2.ミャンマーの現状
ミャンマーのコロナ状況は落ち着いてきており、学校は6月から再開されました。活動面では、クーデター以降、個人の銀行口座からの引き出しが制限されているため、建設にかかる費用の支払が心配されます。また、インフレによる物価高騰で多くの企業がミャンマーから撤退し、職を失う人が増えています。ミャンマー人の、特に若い世代が日本や東南アジアの近隣国などへ出て行こうとする動きもみられます。


教員から生徒へテキストの配布

3.学校図書館研修の受講者の声
教員養成学校の教員向けに実施した研修では、その後教員らが自主的に生徒向けに同様の研修を実施しました。教員たちは、「研修に参加した生徒たちが将来教員になったとき、今回得た知識をさらに広めていくことができます。また機会があればシャンティのトレーニングを受けたい」と話してくれました。


研修の様子

 


「世界の現場から AIR MAIL」

本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.316(2022年11月号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。
ニュースレター「シャンティ」は年2回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。

シャンティは、子どもたちへ学びの場を届け、必要としている人たちへ教育文化支援を届けています。引き続き、必要な人へ必要な支援を届けられるよう、月々1,000円から継続的に寄付してくださるアジアの図書館サポーター募集しています。