2025.10.31
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【ファインダーをのぞいて】アフガニスタン再訪

アフガニスタン
ニュースレター
ファインダーを覗いて
連載企画

「ファインダーをのぞいて」は、シャンティが教育文化支援を行うアジア各地の様子を、フォトジャーナリスト川畑嘉文さんが写真でご紹介するコーナーです。

今回はアフガンスタンでの川畑さんの思い出をご紹介します。


ジャララバード市内に設置された中村哲さんの肖像画。日本への友好を示すため?

アフガニスタン再訪

約4年前に復権したアフガニスタンのイスラム主義組織タリバンの高官が2月中旬、日本を訪れました。孤立した状況を脱却し日本からの援助を得るのが主な目的です。
昨年3月、わたしは19年ぶりに同国を訪れました。行き交う人は多く、街はにぎわいを見せていましたが、以前よりも資源ごみを集める子どもや物乞いをする女性が増えた印象です。
東部の都市ジャララバードには、同地で支援を続けてきた中村哲氏の肖像画が飾られていました。偶像崇拝を厳しく禁じる中、異例の対応といえます。感謝の気持ちを示すと同時に、日本からの支援をアピールする狙いもあるでしょう。事実、私が面会した地方行政の高官も日本との友好関係を切望していました。いま、日本の立ち位置が問われています。


赤ちゃんを抱きながら物乞いをする女性。女性の就労は禁止されている。


自動小銃を構え記念写真に応じる若いタリバン兵たち。スマートフォンの影響か、写真への抵抗が少ないタリバンも多かった。
 

撮影者 川畑 嘉文(フォトジャーナリスト)

千葉県出身。ペンシルベニア州立大学卒業。専攻は国際政治。ニューヨークの雑誌社勤務時代に9.11を経験し、記者職を捨て写真の道に進むことを決意。会社を退職しタリバン政権崩壊後のアフガニスタンを訪れ取材を行った。2005年フリーランスのフォトジャーナリストとなり、世界中の難民キャンプや貧困地域、自然災害の被災地で貧困や難民問題、自然災害などをテーマに取材。
第39回JPS(日本写真協会)展金賞、第17回上野彦馬賞「九州産業大学賞」、DAYS国際フォトジャーナリズム大賞2017「パブリックプライズ」等、受賞歴多数。著書に『フォトジャーナリストが見た世界:地を這うのが仕事』(新評論)。

KawabataSelfphoto

 


「ファインダーをのぞいて」

本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.321(2024年06月号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。

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