絵本に込められた想い『おおきく なったら、なんになる?』
シャンティは1999年から「絵本を届ける運動」を開始し、絵本が不足するアジアの地域に日本から絵本を届けています。厳しい環境で暮らす子どもたちに、絵本を通してたくさんの物語や言葉を知る喜びに出会ってほしいと願い、これまでに40万冊以上の絵本を届けてきました。
子どもたちの年齢や文化的背景に応じて必要な絵本は異なり、児童書の書店員、図書館員、出版社から、おすすめを教えてもらっています。
今回は、絵本『おおきくなったら、なんになる?』に込められた想いを、NHK出版の祝 尚子さんに伺いました。

『おおきくなったら、なんになる?』 作:刀根 里衣 出版社:NHK出版
子どもたちが夢をもてる世界に
「おおきくなったら、なんになる?」
皆さんも周囲からそう問われる機会が、幾度となくあったと思います。
しかし、自由に夢を見ること、実現させることが容易ではない国や地域に生きている子どもたちが世界中にいる──。日本の読者に向けてこの絵本を編んだときには、そうしたことに思いがはせられていませんでした。
『おおきくなったら、なんになる?』は、白うさぎ「モカ」が主人公。モカが変身を繰り返しながら、子どもたちが憧れる職業を楽しくユーモラスに紹介していきます。「見返し」と呼ぶ表紙裏のページには、いろいろな職業が登場します。
世界中の子どもが等しく夢を見て、それを実現できる世界は、そう簡単には訪れないでしょう。それでも絵本のなかのモカが、小さな希望の種を子どもたちの心にまいてくれると信じて、本書を送り出します。
出版社紹介:NHK出版
小社は1931年、NHKラジオ第2放送の開局にあわせて、講座番組テキストの発行および販売を専門とする出版社として設立されました。NHKの番組テキストを中心に、幅広いジャンルの出版物を刊行。刀根里衣さんの絵本を複数冊手がけています。最新刊は『モカとまほうのコーヒー』。
担当職員からのコメント

カレン語に訳された絵本
職業をテーマにした絵本の希望を受けて選書しました。子どもたちが自分の可能性や将来の夢を思い描けるよう、4言語に翻訳して届けます。
「絵本を届ける運動」では、翻訳絵本を作ってくださる方を募集しています。
本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.322(2025年11月号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。
※ニュースレター「シャンティ」は年2回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。
シャンティは、子どもたちへ学びの場を届け、必要としている人たちへ教育文化支援を届けています。引き続き、必要な人へ必要な支援を届けられるよう、月々1,000円から継続的に寄付してくださる「アジアの図書館サポーター」を募集しています。


