2023.01.03
絵本を届ける運動

絵本に込められた想い『きょうりゅうたちのおやすみなさい』

書籍紹介
絵本

シャンティは1999年から「絵本を届ける運動」を開始し、絵本が不足するアジアの地域に日本から絵本を届けています。厳しい環境で暮らす子どもたちに、絵本を通してたくさんの物語や言葉を知る喜びに出会ってほしいと願い、これまでに36万冊以上の絵本を届けてきました。

子どもたちの年齢や文化的背景に応じて必要な絵本は異なり、児童書の書店員、図書館員、出版社から、おすすめを教えてもらっています。

今回は、絵本きょうりゅうたちのおやすみなさい』込められた想いを、株式会社小峰書店の沖田駿平さんに伺いました。


『きょうりゅうたちのおやすみなさい』
作 ジェイン・ヨーレン、絵 マーク・ティーグ、訳 なかがわ ちひろ、小峰書店

恐竜たちが、子どもの「自主性」を育む

この絵本は、「おやすみなさい」を言う前に、もっと遊んでいたい子どもたちの姿を、リアルでユーモラスな恐竜の姿で描いた、一風変わった「しつけ絵本」です。
「もうねなさい」と言われた恐竜たちは、知らんぷりしたり、泣きわめいてみたり、さまざまな手で抵抗します。
この本を読んだ子どもたちは、好き放題暴れる恐竜たちの姿を楽しみながらも、「こんなことしちゃだめだよ」などと客観的に見ることで、実際に自分が寝る時には、きちんと床につくようになるのだそうです。
大人が「こんな風にしたらダメだよね」と言ってしまうのは簡単ですが、実際に子どもたち自身が自発的に考え、学ぶことは、何より本人のためになります。
子どもたちの自主性を育むきっかけとして、この1冊をさらに多くの子どもたちに届けていきたいと思います。

出版社紹介:株式会社 小峰書店

小峰書店は1947年より児童書専門の出版社として、絵本や読み物、学習系の書籍を刊行しています。

 


クメール語に翻訳された「きょうりゅうたちのおやすみなさい」

なんでこの本を選んだの?
シャンティが活動する地域でも人気のきょうりゅう。活動地からリクエストが届き、2022年はカンボジアとラオス向けに選びました。
「絵本を届ける運動」では、翻訳絵本を作ってくださる方を募集しています。

参加のお申し込みはこちらから「絵本を届ける運動」

 


本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.315(2022年春号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。

ニュースレター「シャンティ」は年2回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。

シャンティは、子どもたちへ学びの場を届け、必要としている人たちへ教育文化支援を届けています。引き続き、必要な人へ必要な支援を届けられるよう、月々1,000円から継続的に寄付してくださるアジアの図書館サポーターを募集しています。