2023.09.30
絵本を届ける運動

シャンティ国際ボランティア会でのインターンシップ体験を経て

活動風景
絵本

こんにちは!

8月中旬からシャンティ国際ボランティア会の「絵本を届ける運動」でインターンシップに参加いたしました、矢野と申します。

今回は1か月のインターンシップを通し、国際協力への事業に携わらせてもらった経験をブログを通じてお伝えしていきます。参加への興味がある方やこれから参加する方への支えになりますよう祈っています。

絵本が国を渡る活動内容に関わってみたい

未来のある人々や学びを得たいと思っている人々に本を届けること。私たちインターンはそのお手伝いを中心に作業を行ってきました。自分の手や目を駆使して沢山ある絵本の中から、これはどこの国へ送るものなのか、絵本の仕分けや発送のための準備等、実際の作業は想像もつかなかったことばかりです。

やるべきことの規模が大きいほどそれに伴う数字や範囲ははっきりとしていて、作業も神経質に行うべきだなと思いました。手作業は特に神経質になりがちですが、その責任の重さが人を助ける事の重大さを思い知らせてくれているように感じました。

絵本が国を渡る活動内容に直接関わってみたいと思った自分にとって、数多の作業はとても貴重な経験となりました。

私は将来のことを考えいざ社会人の方が現役で働く職場にお邪魔してみようと思っても、実際にどう働くのが自分にとっての正解なのか分からない状態が続きました。その中でシャンティ国際ボランティア会の応募要項にあるサイトを見た時、お力になりたいと素直に思ったのです。

参加に迷いはなかったものの、慣れないことには頭を捻りましたし自分の考え方を見つめ直す機会も多々ありました。新しいことに挑戦すれば壁にぶち当たるのはもはや当たり前かもしれませんが、自分にとって勝手に馴染みがあると考えていたこの一環では尚更険しい道のりとなりました。

膨大な作業量を前にするとたじろぐこともあると思いますが、大切なのはひとりがどれくらいの量をやるかよりもひとりがどんなことをするか、そこにどのくらいの熱量があるのかが重要だと私は思っています。

挑戦して得られた結果から学んだのは、本気で取り組むこと自体がこの活動に真意をもたらすということです。どんなに細かいことでも気を付ければ気を付けるほど、誰かの疑問やそれに対する助けになることに変わりはありません。

極端に難しいことに取り組むことはありません。それぞれの出来ることから得意なことを抽出し、一貫性を保ったままそれぞれが分担する形式が多い印象がありました。それこそいつどうやるかよりも、何事でも取り組もうとする試みと勇気が活動において重要なことだと感じました。


翻訳シールを貼った絵本の確認作業中

知識だけでなく考え方や想像力も与えてくれる本の力

私が大学でこのインターンシップに応募したのは、シャンティ国際ボランティア会の「本の力を、生きる力に」という理念に深く親しみを覚えたことがきっかけです。この言葉通り、幼い頃から絵本と共に暮らしてきたような自分にとってこの言葉に基づいた数々の取り組みは、私の人生を肯定してくれているようにも感じられました。

両親や親戚がことあるごとに絵本をプレゼントしてくれたおかげで、小学生に上がる前までは読み聞かせが絶えない毎日でした。頻繁に本を読むおかげで教養や学びという行動を起こすことに躊躇なく取り組むことが出来たのではないかと、今までの人生を振り返ってみて思います。

本を読むことへの教訓は世界中の人々が言及していますが「本は人を豊かにする」という言葉の通り、実際に教えてもらったり体験したりすること以外にも学びを得られるものとして、本は人の成長に自立への知識と心の安寧や平和をもたらすと信じています。

本は身近な知識の塊です。どこかで聞いたことがあるようなフレーズかもしれませんが、本を読む人は本を作る人の頭の中を直接覗いているような感覚があると私は考えています。

どこの誰とも知らない誰かの絵と文が、幼い私の脳を支え想像力を育んでくれたのです。自分以外の誰かから与えられたものだとしても、本の世界の中はどこまでも自由でした。

しかし自由といってもそれは私に置かれた環境に限っての話であり、世の中には読み聞かせをしようにも文字が読めず、そして与えられる絵本もないという状況も珍しくありません。

学校の教材で勉強しただけでは出来ないことに疑問を持ち知ろうとする意識が働くのも、過去から積み重ねた読書習慣から今も視野を広げる手伝いをしてくれているのだと思います。知識だけでなく考え方や想像力そのものを与えてくれる本そのものが、人生において立派な教材になると私は思います。

一人ひとりの取り組みがあらゆる人々の力になります。自分が学びに救われた経験と同じようなことを、今自由を求め立ち上がろうとしている方々に届けられるかもしれません。誰かの人生を豊かにする、そんな素敵なきっかけを作ることが出来るかもしれません。


ミャンマー(ビルマ)難民キャンプの図書館

記事をご覧くださっている皆様、もしご興味がありましたらぜひシャンティが開催するイベントへのご参加や、翻訳絵本作りを検討してみてください。

*イベント情報は下記URLよりご覧いただけます。
https://sva.or.jp/event/

*翻訳絵本作りのお申込はこちらから
「絵本を届ける運動」お申込フォーム

 

最後になりますが、1か月のインターンシップとしてお仕事に関わらせていただいたこと、貴重な経験をさせてくださったことを心から感謝申し上げます。シャンティ国際ボランティア会の皆様、本当にありがとうございました。

絵本を届ける活動インターン 矢野

(写真の中の絵本)
『いろいろバス』さく: tupera tupera、出版社:大日本図書
『もうちょっと もうちょっと』文: きむら ゆういち、絵: 高畠 純、出版社: 福音館書店
『オリバーくん』文:ロバート・クラウス 絵:J・アルエゴ、A・デュウェイ 訳:長谷川四郎、出版社: ほるぷ出版