2015年が素晴らしい年になりますように!
メーソットからメリークリスマス!
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の菊池です。
2014年も、残りわずかとなりました。
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所では、昨日までに年内の活動を無事に終えました。
難民キャンプでは、12月21日(日)にカレン新年(2754年)のお祭りがあり、一足お先に新年を迎えています。
2014年は、難民キャンプを巡る環境、事務所の運営体制、他団体との連携も含め、「変化」の1年だったように思います。特に難民キャンプを巡る環境については、5月のクーデター以降のタイ軍による難民キャンプでのヘッドカウント(人口確認)の実施、さらにタイ政府による将来的な難民帰還に関する発表、昨年来実施してきたUNHCR・メーファールアン財団による難民の将来の希望に関する調査結果の公表がありました。そして、いよいよ来年1月からはタイ政府(内務省)とUNHCRによる難民人口確認(Verification)が行われます。タイ側では将来的な難民帰還に向けた準備が進んできている一方で、ミャンマー(ビルマ)国内においては、全国的な停戦合意に向けてミャンマー政府、少数民族勢力との話し合いが進められてきましたが、9月以降カレン州内の状況が変わり、停戦合意への道のりは遠のいています。難民の人々の尊厳、安全に加え、土地や家、社会施設や職業確保に向けた道筋など、まだまだ乗り越えていくべき課題がある状況です。このような「変化」の状況の中で、改めて難民キャンプの人々に寄り添う姿勢、ニーズに合った活動が問われてきています。
私自身にとっても、2014年は立場や職務内容が変わり、「変化」の1年になりましたが、同時に、シャンティの使命である「共に生き、共に学ぶ」という活動の原点に思いをはせることが多かった1年でした。この1年間で多くの人と直接お会いする機会が増えたこともあると思いますが、「共に」の対象がぐっと増えて、難民を含め国境に生きる人々、メーソット事務所や東京事務所、他事務所含めシャンティの仲間、そしてその活動を支えるご支援者の皆様や、さらにそこから市民運動を活性化していく人々の一体感をもって活動をしていきたい、この中で私自身も多くのことを学びたいという気持ちが強くなりました。
やはり現場にいると、難民キャンプの人々と話をすることが多いのですが、各難民キャンプで実施した12月の年末振り返り会議の中で、難民キャンプ委員会や図書館委員会の方の言葉がとても印象的でした。「こんなおはなしがあります。ある父親が子どもたちに本を授けました。多くの子どもたちはその本を読み、たくさんのことを学んでいきましたが、カレンの子どもだけは本を読まなかったのです。そうしているうちに多くの子どもたちは立派に成長することができましたが、カレンの子どもだけは十分に成長ができませんでした。このように、本を読むことは、人はもちろん、国を発展させるためにとても重要です。本の中には知恵が詰まっています。読まなければ、知恵を得ることはできません。皆さん、この図書館のすべての本を読んでみませんか?」「本を読むことで、人は成長し続けることができます」「図書館、言語、文化は、学びの価値を教えてくれます」「コミュニティ図書館に喜んで住民を迎えましょう!」
日々の活動の中で、ついつい目の前のことに追われがちになってしまうのですが、改めてキャンプ委員会や図書館委員会の皆さんの言葉を聞いて、理念や夢を共有していくことの大切さ、その輪を広げていくことの大切さを感じました。このような素晴らしい仲間や学びの機会に恵まれていることに感謝をしながら、日々明るく、前向きに活動を盛り上げていきたいと思います。
2015年は、もっと難民キャンプの人々の声やコミュニティ図書館での活動、現地駐在員やナショナルスタッフの声を届けていきたいと思います。
皆さまにとって、2015年が素晴らしい年になりますように!
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所:菊池