2016.06.10
海外での活動

学校建設が村人に希望もたらす

カンボジア
活動風景

皆様、こんにちは。カンボジア事務所の玉利です。

シャンティは1991年から毎年小学校の建設を行っていますが、今年も皆様からのご支援により5校が建設中です。雨季に入った今、学校によっては途中の道がぬかるんでおりモニタリングに苦労する場所もありますが、各校予定通りに建設が行われています。

昨今カンボジアでは経済発展が進んでおり、幹線道路は舗装され、地方都市のインフラも整いつつあります。従って、「もう学校建設を行う必要はないのでは」、という声が聞こえてきそうですが、実際に現場に赴くと、まだ学校の校舎建設のニーズは高いと感じます。

その理由として、まず過去に建てられた校舎の老朽化が激しいことです。1992年に国際連合カンボジア暫定統治機構(UNTAC)が設置されて以降、国連機関をはじめ多くの援助団体がカンボジアに入り、学校建設も盛んに行われました。しかし、当時は校舎の数が絶対的に不足していたために、どちらかというと各団体は校舎の質よりも量を優先させて建設した傾向にあります。またその頃は木造校舎が中心でしたが、高温多湿でシロアリが多いカンボジアでは木材の老朽化が激しく、それから20年以上経過した今、多くの校舎が使用に耐えかねる状態となってきています。カンボジア教育省も、今年3月に開催された年次会合で、「4,000棟の校舎の改築が早急に必要」と訴えています。

次に、農村部では今まであまり人が住んでいなかった土地が開墾され、人が移住して新たな村ができ、学校が必要になった場所が多々あります。日本の農村では過疎化により人口が減少しているところが多いですが、カンボジアでは多くの方が農民なので、中心から離れた辺鄙な場所でも、土地が良質であれば農民が移住してきます。今まで森林だったところが開墾されたり、地雷原の地雷が除去されたという場所もあれば、大企業による農地の収用により、従来の土地を追われた農民も多くいます。

このような場所では、最初はお寺や民家、もしくは住民たちが廃材やトタンなどで作った簡易校舎で授業が開かれます。この時点では、先生もボランティアで、村人の中で教育がある人が選ばれて教えているケースが多いです。貧しくても子ども達に教育を受けさせたいと思う住民の気持ちには心を打たれます。住民の方々は、非公式の学校が始まると、地方の教育局に学校の登録申請を行います。審査には通常数年かかりますが、公式の学校として認定されると、行政から教員が派遣になり教科書も配られます。しかし、行政も校舎の建設までは手が回りません。

シャンティは、これらの学校を訪問し、既存校舎の状態の精査や、現在と将来的な予測を含めた通学児童の数、校舎以外に必要な施設、学校や住民側の教育に対する意識の高さなどを調査し、建設校を選定していきます。選定する学校は、住民組織や地方行政が責任をもって校舎の維持管理ができるように、公式の学校と認定された場所に限っています。

幹線道路から離れた農村に新しい学校が建設されると、それは単に教育の施設だけではなく、村の発展のシンボルとなり住民に希望をもたらします。また学校の建設により、村の人口が増え、保健センターの設置や道路建設など他の社会サービスも整ってくる傾向にあります。従って、皆様からご支援による学校建設は、村人の生活全体の向上にも寄与しているといっても過言ではありません。

都市部に比べ、教育を受ける機会が限られている農村部の子どもたち。出稼ぎのため、親と離れ離れに暮らしていたり、貧しさゆえ農繁期には学校を休んで農作業を手伝っている児童も多いです。これらの子どもたちが少しでも良い環境で教育を受けられるようにと考えながら、今年も学校建設を実施しています。

引き続きご支援の程、お願い申し上げます。