カンボジア幼児教育事業でガイドブックの最終コンサルテーション・ワークショップを開催
チョムリアップスオ!
こんにちは。カンボジア事務所の菊池です。
先日、6月26日、27日で、2020年からはじまった現在の幼児教育事業で作成してきたガイドブックの最終コンサルテーション・ワークショップがありました。プノンペンにある幼稚部教員養成校で開催され、教育省幼児教育局、教員養成局、幼稚部教員養成校、全州の州教育局や中央幼稚園を合わせて約130名を招聘し、2日間にわたって、①環境構成、②おはなし、③教材の3種類のガイドブックの内容を確認しました。
2020年の事業開始以降、タスクチーム(教育省幼児教育局、教員養成局、幼稚部教員養成校、バッタンバン州教育局、バッタンバン州中央幼稚園の職員で構成)との協力のもと、ガイドブックを作成してきました。タスクチーム内での協議、検討に加え、昨年1回目のコンサルテーション・ワークショップで州教育局や中央幼稚園からのフィードバックがありました。また、本事業にご協力いただいている天竜厚生会のチームカンボジアのメンバーの皆さんからもフィードバックをいただき、最終化に向けて準備を進めてきました。
当日の最終コンサルテーション・ワークショップでは、シャンティの幼児教育事業やこれまでの取り組みの説明の後、3種類のガイドブックに併せて3つのグループに分けて、ガイドブックの中身を精査しました。また、ガイドブックの内容の確認だけでなく、ガイドブックが実践的に活用できるかどうかという観点から、ガイドブックをベースとして、実際の活動も行いました。
ガイドブックを確認する中で、教員に分かりやすい表現への変更や写真の追加の他、様々な議論があり、例えば、幼児期に脳はどれくらい発達するのか、紙を折ることは子どものどういう発達に寄与するのか、幼児向けの絵本の重要なポイントは何かなど、参加者が経験を踏まえて協議する場面もありました。参加者が積極的にコメントや経験共有をする参加型のワークショップとなり、2日間で多くのフィードバックがありました。
このワークショップの参加者からは、現職教員にとって役立つ内容となっている、ガイドブックの内容からたくさんの学びがあり自身の幼稚園でも実践に移したい、州レベルだけでなく郡レベルの教育行政官にも共有したい、教員だけでなく保護者への啓発活動も重要、という声が聞かれました。
内容の方向性やポイントは合意できたので、今後このワークショップで出たコメントをベースに修正作業を行い、教育省による承認手続きに移っていきます。
このワークショップの途中で、教育省のキムセタニ―長官も参加し、カンボジアの幼児教育分野はアクセスの改善はしてきたものの、質の改善はまだ必要な状況なので、今後このガイドブックを活用して質の向上に努めてほしいという激励の言葉もありました。
<右から2人目がキムセタニー長官>
事業もいよいよ終盤に入り、残りの期間でも様々な活動が予定されていますが、このガイドブックや活動事例集の作成、さらなる人材育成、パイロット州でのモニタリング等を通じて、カリキュラムに基づく「遊びや環境を通した学び」の実践を各州に普及するための基盤をしっかり作っていきたいと思います。
<タスクチームメンバーとの集合写真>
※この事業は国際協力機構(JICA)草の根技術協力事業や皆様のご支援により実施されています。
カンボジア事務所 菊池