補習推進事業:最終モニタリングを実施しました
チョムリアップスオ(こんにちは)!カンボジア事務所の山内です。
2023年から実施している「カンボジア僻地小学校への補習推進事業」では、最終モニタリングを実施しました。
※補習推進事業の関連ブログ:「カンボジア僻地小学校で補習推進事業を開始しました」「補習推進事業:3つの研修が終わりました」「現地駐在員の日常。移動図書館編」
これまで、補習実施のため図書館併設の学習施設を建設し、その施設をどのように運営していくか研修を行い、施設利用推進のために移動図書館を通した啓発活動を行ってきました。今回は実際に授業動画を活用した補習授業、図書館活動が各学校で始まっている様子を確認する最終モニタリングを行いました。
当日学校に到着すると、カンボジア教育省がコロナ禍で開発した授業動画(カンボジア国内で有名な先生が単元を教えている動画です)を活用した補習授業が行われていました。この補習授業はコロナ禍の学習損失の影響が大きいとされた算数とクメール語を中心に行われ、学校のテスト結果から補習が必要と判断された子ども達が学んでいます。授業動画は1時間以上と長いものが多く、写真のように施設担当教員が途中で動画を停止し、質問を投げかけたり、追加の説明を行ったりしています。
補習授業の後には、課題が配布され、その結果により補習授業を継続するかどうかを施設担当教員と通常授業担当教員が一緒に判断します。
この学習施設は、学校図書館を併設していて、通常授業の際に各教員が子ども達を図書館に連れて行きます。もちろん、休み時間に図書館を利用する子ども達もいます。
図書館に子ども達を連れてきた教員が折り紙を教えている様子
教員とビンゴゲームをしている子ども達。ビンゴカードには動物の名前がクメール語で書いてあり、楽しんで言葉を覚えてることができます。元々シャンティの他国事業で使用しているゲームで、クメール語翻訳にしました。
補習授業の様子、図書館活動の様子を確認した後は、研修講師を担当した郡教育局副局長から、良かった点や改善点などの振り返りコメントが共有されました。研修で学んだことが良く実践できているが、例えば補習授業の週間スケジュールを子ども達が把握できるように施設前の掲示板を活用して伝えるようにといったコメントがありました。
学習施設内に教員や学校運営委員会などの関係者全員が集まって、郡教育局副局長から実践についてのコメントをもらい、シャンティ職員とは1年間の事業全体の振り返りを行いました。
僻地小学校に向けた補習推進事業は、この最終モニタリングで事業終了を迎えました。今後は、学校が自分達の力で補習授業や図書館活動を実施します。
モニタリング後の振り返り会議では、子ども達の学習には欠かせない施設なので、責任を持って運営していきたい。この地域に本が置いてあるのはここだけなので、村人にも広く利用してもらいたい。地域の人達にこの施設の必要性を説明して、運営のための資金調達を頑張りたい。といった意見がありました。これらの言葉通り、将来この学習施設を通して多くの子ども達の学習が改善することを期待しています。
カンボジア事務所 山内
※補習推進本事業は、外務省の日本NGO連携無償資金協力により実施されています。