一日がかりの瓦の撤去|令和6年能登半島地震
活動している門前地域は海に近く、夏は美しい砂浜が続く海岸線がつづき海水浴客でにぎわっていました。
しかし、地震で土地が隆起したことから海水がなくなり、景観が変わってしまいました。
以前は手前のテトラポットまで海水があったそうです。元々海の底にあった地面が干上がり白くなっているのは貝類が死んだことによる変色と伺いました。海水がなくなり、船を出すことができなくなっている漁港もあります。
地震による山崩れで、ある漁港に通じる唯一の道が分断されてしまい、近隣に住む人々は一時孤立した状況になり、ヘリコプターでの避難を余儀なくされたそうです。
今回は漁港の近くで被災したご自宅に伺い、片付けを手伝いました。
瓦の撤去
Bさんは、地震後他県に避難しています。5月の連休で自宅の片付けのために一時的に戻りました。
しかし、家族だけでは片付けが困難なため、瓦の撤去を手伝ってほしいという依頼を受け、ボランティアの学生と一緒に伺いしました。
ご自宅に到着すると、住居の正面や裏側に屋根の瓦が落ち散乱している状況でした。
割れた瓦は災害片付けごみの対象になっています。回収してもらうためには、土嚢袋に入れ、設置された集積場まで運ぶ必要があります。
大きな瓦は、スコップなどで小さく砕いてから土嚢袋に入れます。土嚢袋いっぱいに瓦を入れてしまうと重すぎて運ぶことが大変になってしまうため、詰めすぎに注意しながら土嚢袋に入れていきます。
1日でご自宅の裏側に落ちた瓦を撤去することができました。落ちた瓦で見えなくなっていた地面が見えてくると、Bさんとご家族、参加した学生ボランティアにも笑顔が浮かびました。
この日は最大13人がご家族と一緒に瓦を撤去しました。
今回の地震で、屋根から瓦が落ちたという被害に遭った住宅が多数あります。特にご高齢の方だけで暮らすお家では、瓦を撤去することは困難です。
活動に参加した学生ボランティアからはこのような声が聞かれました。
「復興はスローペースな印象を持った。今後も支援は必要と感じた」
「自分が学ばせてもらうことが大きい。一方で自分にできることもあり嬉しい」
学生のみなさんが活躍した一日でした。
※当事業は、「ジャパンプラットフォーム(JPF)」と「日本財団」、「赤い羽根共同募金」の助成金、皆さまのご支援を受けて実施しております。